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アライズアナリティクス 独自開発の需要予測モデル KDDIの人口動態データとIoTデータを合わせビジネス最適化

2020/01/27 09:00

週刊BCN 2020年01月20日vol.1809掲載

 KDDIグループでビッグデータを活用してサービスを展開する動きが加速している。KDDIは昨年8月からスマートフォンの位置情報を活用した人口動態データの提供を開始したほか、グループ企業とともにデータ分析ツールやサービスを提供している。11月には傘下のアライズアナリティクスが、KDDIが保有する人口動態データと外部データを活用した需要予測モデルを開発。外食産業や物流など、より具体的なユーザーニーズに即したサービス展開を可能にしている。

左からBusiness Development Division・堀越真映Vice Division Directorと
杉田大亮Division Director

 KDDIが提供する人口動態データは、auスマートフォンユーザーから生成される位置情報を基にしたもので、特定エリアにおける時間ごとの人口や人の流れを把握できる。過去・現在・未来の時間軸で、それぞれ移動滞在データ・準リアルタイムデータ・未来予測データを用意している。

 今回、アライズアナリティクスが開発した需要予測モデル「Intelligent Demand Forecast」は、KDDIが保有するデータに加えてユーザー企業が持つIoTデータや天候、イベントデータなどを組み合わせて解析するもの。複数のデータを包括的に解析することで、より精度の高い需要予測を可能とし生産や供給を最適化できるようになる。

 同モデルで想定するユースケースとしては、例えば飲食業では来客予想から廃棄ロスの削減、電気・プロパンガスなどの社会インフラでは使用量予測による供給量の最適化が挙げられる。

 アライズアナリティクス Business Development Divisionの堀越真映・Vice Division Directorは「かねてから需要予測のニーズは高かったことから、個別に切り出すこととした。ユーザーのデータを解析し、それをビジネスにクイックに反映していくことで幅広い分野でビジネス最適化を支援できる」と強調する。また、同社は昨年10月、KDDIが展開する投資プログラム「KDDI Open Innovation Fund 3号」の出資先で、AIによる配送ルート最適化クラウドサービスを展開するオプティマインドとの協業を発表。今回の需要予測分析モデルとオプティマインドが持つモデルを組み合わせることで、物流面での配送・補充業務の最適化といったユースケースにも対応する。

 アライズアナリティクスの杉田大亮・Division Directorは「以前と比べセンサーデバイスや通信プランなどで安価なサービスが出てくるようになってきた。その一方で、顧客側でもIoTデータの分析で、よりビジネス価値が高められることを意識している層が拡大している」と指摘。IoT関連の分析案件の増加とともに、より具体的なユースケースを前提とする機運が強まっているという。

 ユーザーによってはデバイスや通信モジュールの設置を含めて検討するケースもある。そうしたケースでは、KDDIと協力して対応できる点も強みとなる。グループ内の連携により、IoTの導入から精度の高いデータ分析まで一気通貫でサービス提供ができるようになっている。(銭 君毅)
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外部リンク

アライズアナリティクス=https://ariseanalytics.com/