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ラック、金融犯罪対策センターを始動
2021/06/07 12:05
記者会見では、同社の西本逸郎社長が登壇。「9月にデジタル庁が設立されることで、企業のDXへの取り組みはこれまで以上に加速する。その一方で、サイバー犯罪は増加している。特に近年、高度化している金融犯罪の被害は、これまで以上に深刻になると予測されることから、FC3を設立した」と述べた。
FC3の詳細については、小森美武・金融犯罪対策センター長が説明。フィッシング詐欺が急増していることや、高齢者を口頭で騙し、ATMで預金の引き出し・送金をさせる特殊詐欺による被害が後を絶たない現状に触れ、「FC3では、このような金融犯罪を未然に防ぐための取り組みを進めていく」と話した。
今後は認証技術の高度化などを進め、金融犯罪に有効なソリューションの研究・開発を進めていく。特に、AIを活用した不正検知手法の開発に注力するという。具体的には、ATMで不審な引き出し・送金が行われた時や、オンライン銀行で不正送金された際のパターンをAIに学習させ、不審な取り引きを自動で停止できるようにする。小森センター長は「早く実用化できるように、開発を進めていく」と意気込みを語った。
また、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)と連携し、最新の犯罪手口やその対策などの共有、金融機関への情報提供を行うという。(岩田晃久)
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