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KDDIとNEC、OSSによる仮想ネットワーク管理機能を共同開発
2020/10/27 14:59
これまで、固定電話の国内事業者間での接続で利用されていた回線交換方式は、中継器や信号交換機といった専用機器が維持限界を迎え、開発者の確保も難しくなってきている。このため、総務省やNTT東西は各事業者とともに2021年以降、IP網による相互接続へと段階的に移行していく方針。一方、通信事業者はIP網への移行に伴って、仮想ネットワーク機能(VNF)の管理や制御、構成変更を自動で行うVNFMなどを導入する必要がある。
KDDIとNECは、VNFMをOSSであるTackerを基に開発した。OSSならではの柔軟性や信頼性の高さといったメリットがある。具体的には共通的で柔軟なインターフェースによってサービス提供を加速させるほか、コミュニティーがネットワーク仮想化に関する課題解決に取り組んでいることから、これらの情報を商用機能開発に生かすことができる。また、公開された場で多くの開発者に評価・監査されるため、信頼性が高く安定した運用が可能だという。
またKDDIとNECは、OSSの発展には利用者と開発者の協力が重要で、特にOpenStackコミュニティーにおいてはTacker利用者である通信事業者のユースケースを重視する立場をとる。今後、両社は開発した成果OpenStackのコミュニティーに還元していく考えで、KDDIはユースケースをコミュニティーに提供し、それを基に商用開発経験を持つNECが商用導入できる機能として開発することで、通信事業者のニーズをソフトウェアに反映させていくという。
なお、NECはTackerを基に開発した商用のVNFM製品を「NEC OSS(Open Source Software)MANO」として既に通信事業者向けに提供している。(銭 君毅)
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