KeyPerson
SMBから日本をセキュアに
ソニックウォール・ジャパン 代表取締役社長
北川 剛
取材・文/岩田晃久 撮影/大星直輝
2023/12/04 09:00
週刊BCN 2023年12月04日vol.1994掲載
(取材・文/岩田晃久 写真/大星直輝)
土台がしっかりした会社
―― 社長就任の経緯を教えてください。私のキャリアの中で、約15年はセキュリティに関わっています。米Symantec(現Broadcom)の日本法人などを経て、ServiceNow Japanでは、SOAR(Security Orchestration Automation and Response)事業の立ち上げ、直近では、米Ivanti Software(イヴァンティソフトウェア)の日本法人のカントリーマネージャーとしてリモートアクセスツールなどの普及に携わりました。顧客はエンタープライズが中心で楽しかったのですが、国内企業の99.7%は中小企業とされています。つまり、0.3%の企業のセキュリティ強化に頑張ってきたのであって、残りの99.7%をどうにかしなければならないと考えるようになりました。その中で、SMBに強いソニックウォールから声がかかり、私の考えと合致していたため社長を引き受けました。
―― 自社の強みをどう捉えていますか。
長く働いている社員や、懇意にしてくださるパートナーが多いこともあり、土台がしっかりしている会社だと感じています。グローバルでみても多様性を尊重する企業文化が根付いており、営業面では、本社から「日本法人の意見を教えてほしい」「パートナープログラムでは何が必要なのか」といったようにしっかりしたサポートが得られていますし、日本法人に裁量もあります。
パートナーの意向を重要視しているのも特徴で、寄せられた意見をパートナーエコシステムの構築に生かしています。私もいくつかのIT企業で仕事をしてきましたが、パートナープログラムはグローバルで統一されているケースが大半です。しかし、それだと各国の事情に合致しない部分も出てきます。ソニックウォールの場合、パートナーから国内のビジネスに合わない部分を聞き取り、それをローカルのプログラムに反映できています。先日、日本から本社に提案した意見が承認されたので、近いうちに、その内容に沿ったパートナープログラムを発表する予定です。これからも、日本に合うやり方を進めることで、パートナーと強固な関係をつくっていきたいです。
また、パートナーからは製品ロードマップをはじめ、ソニックウォールがこれからどうなっていくのか知りたいという声が多く届きます。そのため、本社からプロダクト部門とSE部門のトップを招き、11月に東京と大阪でパートナー向けのイベントを実施しました。今後も、イベントなどマーケティング活動の強化を図ります。
―― どういったパートナー層の拡大を予定していますか。
MSP(マネージドサービスプロバイダー)の拡大に注力していきます。多くのITベンダーがサブスクリプション型でサービスを提供していますが、他社製品では年間契約が多い印象です。当社の場合、月間での契約が可能となっており、これはMSPを意識した形態です。こういった面を訴求しながら、MSPを開拓していきます。
情報処理推進機構が発表した「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」には、UTMとEDR(Endpoint Detection and Response)の運用が重要だと書かれていますので、パートナーのサービスと組み合わせて、製品提供に加えて運用までのニーズを取り込めるようにしたいですね。
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