視点
いまどきのスタートアップ事情
2025/04/02 09:00
週刊BCN 2025年03月31日vol.2053掲載
多くの企業は大学と組む、あるいは大学の先生が経営に参加する、もしくは技術を提供している事例が多く、産学連携は想像以上に進んでいると感じた。
事例を上げると、ツーエスラボ(坂本洋平社長)は東工大発ベンチャーで遺伝子情報とブロックチェーン技術を組み合わせて犬、牛、馬、錦鯉などの「スマート血統書プラットフォーム」を提供し、生体遺伝子情報管理を行う事業を展開している。GCJ(木下明社長)は、京都府立大学の田中國介名誉教授が進める、土を使わず、大量の水も必要しない「気相栽培法」を活用した新しい市場の創造を目指している。
この日、1社だけ社名に漢字を使った異色の企業があった。群馬県桐生市の銅林工業所(藤生幸司社長)だ。この会社は主に自動車用のフロントワイパー、ルームランプ、サイドミラーなどの各種部品を金型設計から金属プレス加工、スポット溶接、製品の組み立てにいたるまで展開している。1947年創業の老舗企業で、若手のサラリーマンが事業継承した、あまりほかでは見られないケースだ。藤生社長は大手自動車部品メーカーに勤務後、同社に移り、製造、品質管理、環境管理、営業の各部門を経験した後、事業を継承している。
この効果は抜群で、次第に地域に浸透してくる。まず社員は大幅に若返り、50人近い社員のうち女性が15人を占める。会社のパンフレットはハイテク企業並みにスマートでビジュアルなものになってきた。多くのメディアにも登場した。
藤生社長はこれまでの大量生産時代の縦のつながりを生かすとともに、多様な時代の横のつながりを駆使して新たなビジネスを展開すると語る。これまで長年にわたり自動車部品メーカーとの取引を通じて培ってきた技術力を基に、新たなユーザーの要請に沿って設計段階から開発、製造までを提案する。従来型の既存事業ではあっても、スタートアップでリフォームしてよみがえることを証明した感がある。
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