全国のベンダーに聞く ITビジネスの現在と未来
ワイイーシーソリューションズ 「自主自立」を目指す
2024/12/20 09:00
週刊BCN 2024年12月16日vol.2041掲載
(取材・文/藤岡 堯)
ハード販売で民需を開拓
――会社の沿革と事業概要を聞く。NECの汎用機のバックアップセンターとして創設され、2024年9月に55年を迎えた。設立当初は横浜市や横須賀市、厚木市といった自治体の電算業務、大量印字業務を担い、その後、スクラッチ開発や自社パッケージ製品の開発を手掛け、20年ほど前からはデータセンター事業も展開している。設立当初の事業の流れでBPOサービスも提供し、最近はPCやサーバーなどの機器も販売している。売上高の約8割が自治体向けで、民需はおよそ2割となっている。神奈川県下が中心だが、約50種類ほどあるパッケージソフトについては、一部は全国で利用されているものもある。
事業に関しては、少し前まではハードウェアの販売、システム開発系、データセンターといったサービスがそれぞれ売上高の3分の1ずつを占めるバランスだったが、近年はハードが一番大きくなっている。自治体における基幹業務システムの標準化に伴い、将来的には自治体需要が落ちると見込んで、最近は民間の掘り起こしを進めている。当社は民間の下地があまりないため、顧客接点をつくるためのドアノックツールとして、ハードの販売から入り込み、本丸のシステム開発につなげようという思いがあるからだ。
――ここ数年の業績をどうみているか。
新型コロナ禍をきっかけに世の中が変わり、テレワークやGIGAスクール構想などの影響でIT業界全体が好調となった。その例に漏れず、当社もここ2、3年の売上高や利益が過去最高となるなど、だいぶ順調になっている。
ただ、先述の通り、この先は自治体向けのビジネスがある程度下火になるだろうと考えており、それを補えるのは民間への進出だ。25年度で現在の中期経営計画が終わる。次の計画を考える中で、今後の民需戦略を練らなければならない。
民間においては、スクラッチ開発は少なくなっているとはいえ、標準化という考え方は自治体よりも薄い面がある。一方でパッケージによって費用を抑えようという考えもあり、その辺りをミックスした手法として、ローコード・ノーコード開発が挙げられるだろう。当社では開発ツールの「Unifinity」を取り扱っている。iOS、Android、WindowsなどOSに依存しないシステムが構築できる点でお客様にもメリットがあり、レガシーシステムを移行しようという動きもある。これをさらに活用し、民間の需要を開拓したい。
- 研究開発・教育に注力
- 社員が第一
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