全国のベンダーに聞く ITビジネスの現在と未来

オーイーシー 社会に根を張り、課題解決に貢献

2024/10/25 09:00

週刊BCN 2024年10月21日vol.2034掲載

 本店を置く大分市から全国を舞台に事業を展開するオーイーシーは、変革に向けて動き出している。これまでの開発、納品、運用を中心とするビジネスだけでは、変化の動きから取り残されてしまうとの危機感があるからだ。既にAIなどの先端技術を活用した取り組みを進めており、加藤健社長は「社会にどっしりと根を張り、デジタルの力でさまざまな課題の解決に貢献したい」と意気込んでいる。
(取材・文/齋藤秀平)

全国の自治体から評価

――直近の会社の状況は。

 当社は1966年に設立し、これまでソフトウェアやシステムの開発、納品、運用のビジネスを主体としてきた。特に売り上げの割合が大きいのは自治体向けビジネスで、全体の約6割を占めている。自社開発した公共施設予約システム「eG-Reserve」や公共住宅管理システム「eG-Tops」といった製品を提供し、全国の自治体に採用されている。導入実績は、都道府県が21、政令市が9、特別区が9、市町村が175の計214自治体となっている。

――多くの自治体から支持されているのはなぜか。

 社員が顧客に対して真面目で誠実な姿勢が評価されている。例えば、製品やサービスには、顧客から聞き取ったニーズをしっかり反映するようにしており、こうした細かい対応ができるのは当社の強みだ。それに加え、長年にわたって自治体向けビジネスを展開することで培った豊富なノウハウも大きな武器になっている。

――自治体は標準準拠システムへの移行を控えている。

 当社のビジネスにとっては大きなインパクトがあるとみている。政府の方針がどうなるかによるが、現在の期限となっている2025年度末までの移行が進んだ場合、同年度の売上高と営業利益はともに増加すると予測している。ただ、移行が完了した後は、当社が持っているデータセンターでのシステム運用が中央に持っていかれる。今後は標準化されたデータを活用した新しいサービスが重要になるとみているので、そこに向けてチャレンジしていかなければならない。
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外部リンク

オーイーシー=https://www.oec.co.jp/