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セキュアイノベーション 「地産地消」のビジネスモデルを確立させる

2024/09/13 09:00

週刊BCN 2024年09月09日vol.2029掲載

 那覇市のセキュアイノベーションは、地元発の企業として2015年に誕生し、全国の幅広い企業にセキュリティーサービスを提供している。栗田智明社長は、沖縄のIT企業であることに強いこだわりを持っており、人材育成やサービス展開を地域密着型で進める「地産地消」のビジネスモデルの確立を目指している。
(取材・文/齋藤秀平)

沖縄のIT産業を豊かにしたい

──沖縄で会社を設立したのはなぜか。

 私は名古屋出身で、04年から沖縄に住んで別のIT企業の代表を10年ほど務めた。退任後、大阪のセキュリティー企業や県内企業などと連携し、サイバーセキュリティーに特化した会社としてセキュアイノベーションを設立した。人件費の安い若い人材がたくさんいることで沖縄が注目されてきたが、これからは「高くても沖縄」と言われるような事業を立ち上げたいと考え、付加価値の高い人材を育成し、全国にサービスを提供することを目指した。沖縄の企業であることにこだわったのは、地元のIT産業をもっと豊かにしたいとの強い思いがあったからだ。

──サイバーセキュリティーに特化した理由は。

 当時のセキュリティー市場は大企業向けが中心で、地方の企業や中堅・中小企業がお金をかける時代ではなかった。人材も不足していたし、そもそもサービスを提供する企業が地方にはほぼなかった。ただ、セキュリティーは絶対なくならない領域だとみていたので、会社を設立する約1年前から沖縄でセキュリティー事業をするならどういうことができるかを考えていた。

──これまでのビジネスの状況は。

 会社を設立した当初は本当に苦労した。セキュリティーの場合、事業を手掛けている企業からスピンアウトしたり、大手企業が合弁会社をつくったりするようなケースが多い。当社はそうした出自ではないため、「沖縄のセキュリティーベンダーができました」と言っても、発注してくれる会社はなかった。ただ、人材育成をしっかり進めて事業に取り組む方針をぶれずに続けた結果、徐々に人が育ち、それに伴って顧客からの信頼を獲得できるようになった。
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外部リンク

セキュアイノベーション=https://www.secure-iv.co.jp/