視点
「小さくせよ!高速に回せ!」DX実践のあるべき姿
2024/06/05 09:00
週刊BCN 2024年06月03日vol.2016掲載
ITもまた変化に俊敏に対応できるスピードを獲得するために、従来のやり方から決別して「新しくつくり変える」必要がある。
そのためには、できるだけコードを書かないこと。その手段として、クラウドやオープンソースソフトウェアを駆使することだ。独自につくらなければならないときは、ビジネスの成果に貢献するコードに絞り込み、「使うかもしれない」はつくらない。
また、業務プロセスを「最小単位」に分解することも重要になる。例えば、アジャイル開発では、業務プロセスを最小単位に分解し、それをコンテナに収め、マイクロサービスにする。これを開発と運用が一体化して、高速かつ高頻度で新しいものに入れ替え続ける仕組みがDevOpsだ。
セキュリティーも同様で、ファイアウォールに連なる社内のLAN配下のネットワーク・セグメントをセキュリティー対策の単位とするのではなく、エンドポイント単位で対策を行うのが、ゼロトラストだ。そうすれば、特定のエンドポイントがセキュリティー上の問題を起こしても、被害はそこに限定でき、会社全体として事業を継続することができる。
これを実現するにはエンドポイント単位で、その挙動をリアルタイムで監視してトランザクション単位で信頼性を確認し、問題を検知すればいい。
セキュリティー上の脅威が高度・複雑化し、予測できない状況では、ファイアウォールやVPNなどに頼るやり方は、被害を拡大させる懸念がある。
従って、セキュリティー対策を「最小単位に分解する」ことで、仮に問題が生じても被害を極小化して事業を継続できる。
「小さくせよ!高速に回せ!」
ITの立場で、DXを実践するとは、このようなやりかたに「新しくつくり変える」ことである。
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