号砲!!ガバメントクラウド プレイヤーたちの青写真
日本マイクロソフト 将来の「高付加価値創造」でパートナーの商機は広がる
2023/06/09 09:00
週刊BCN 2023年06月05日vol.1971掲載
(藤岡 堯)
「ロマンがない」
SIerや公共向けアプリケーションのベンダーといったパートナーにとって、ガバメントクラウドにおいて、どのプラットフォーマーと組むかは重要な問題だろう。現状、四つのプラットフォームがあるが、マルチで対応していくことは技術者の質・量の観点から難しい。加えて、ガバメントクラウドの目標の一つが「情報システムの運用経費などを18年度比で少なくとも3割削減する」ことである点も響く。自治体のコスト削減はある意味、パートナーのビジネス縮小を指し、多大なコストをかけてまでマルチに対応するモチベーションは生まれにくい。日本マイクロソフト業務執行役員の木村靖・パブリックセクター事業本部デジタル・ガバメント統括本部統括本部長は「(パートナーにとって)ロマンがない」と表現する。この状況の中で、マイクロソフトは「クラウドを使った高付加価値創造」を訴えているという。ガバメントクラウドの目的が、住民基本台帳や税、介護福祉、児童・子育て支援などに関連する20業務のシステム標準化であることは間違いないが、これらの基幹業務だけで終わる話ではない。周辺業務もデジタル技術によってアップグレードし、職員の働き方改革や、住民にもっと寄り添うかたちでの行政サービスの充実などにつなげることで、自治体DXは実現される。木村業務執行役員は「ガバメントクラウドは自治体DXの起点。ゴールではない」と強調する。この取り組みこそが「プラスアルファの高付加価値創造」である。パートナーは基幹業務のリフト&シフトにとどまらず、その先にある業務変革を支える役割があり、そこに商機が生まれる。
- 広範なポートフォリオがかぎ
- 地方重視の姿勢を鮮明に
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