経営者たちの軌跡

SAPジャパン 内田士郎代表取締役会長 「仕組み」づくりにまい進 楽しいことだけをやらせてもらった

2023/03/28 09:00

週刊BCN 2023年03月27日vol.1962掲載

自社の成長に力を注ぐとともに、IT業界の発展に貢献してきた経営者たち。
役割を終え、退任の時を迎えた彼らは、どのような思いを抱いているのだろうか。
任期中の出来事などを振り返ってもらい、これまでに描いてきた軌跡をたどる。


 SAPジャパンの内田士郎会長は、2023年3月末で退任する。15年の会長就任から8年余りの任期中は、自社の成長やイノベーションを起こすための「仕組み」づくりにまい進し、「楽しいことだけをやらせてもらった」と笑顔で語る。長年にわたって支えてくれた従業員や顧客、パートナーに感謝の気持ちを抱きながら、次の一歩を踏み出す。
(取材・文/齋藤秀平)

やり始めたらきりがない

──まずは退任にあたって率直な気持ちを聞かせてください。

 一抹のさみしさはありますが、やり切ったという思いが強いです。経営者をしていると、次から次へと山がくるので、やり始めたらきりがなくなってしまいます。このままだと私の人生が終わってしまいますから、だから、ここで一つの区切りをつけて次に進むことにしました。
 
SAPジャパン
内田士郎 代表取締役会長

──在任期間は8年余りとなります。会長に就任した当時は、ここまで続けると思っていましたか。

 それは全くありませんでしたね。やっても2、3年だと思っていましたから。新卒で入社した福田さん(福田譲・前社長、現在は富士通の執行役員EVP CIO、CDXO補佐)を社長にするということで、SAPから一緒にサポートしてほしいと相談を受けて会長に就任しました。SAPも変わろうとしていることに感銘を受けたことは今でも覚えています。当時は福田さんを一人前にするお手伝いをしたら、次に行こうと思っていました。しかし、やり出したらあまりにも楽しくて、そうこうしているうちに社長が福田さんから鈴木さん(鈴木洋史社長)に代わり、今になったという感じです。

──このタイミングでの退任について、心残りはありませんか。

 22年の総売り上げは14年に比べて2.2倍に成長しました。結果的にビジネスにおけるインパクトをつくることができましたし、それに加えてかねて検討していた新しいオフィスを22年に東京・大手町で開設することもできましたので、やりたいことはだいたいやり尽くしたと思っています。
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外部リンク

SAPジャパン=https://www.sap.com/japan/