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「CPS」の用語解説、IoTの先にある新しい概念

2022/07/05 18:33

週刊BCN 2022年07月04日vol.1929掲載

 実世界(フィジカル空間)のデータをセンサーシステムなどで収集し、サイバー空間上で分析することで得た知見で新たな価値の創出を図る概念。Cyber Physical Systemの略。実現のための技術要素となるIoTやAIなどの発展とともに注目を集めている。

 IoTはあらゆるモノにネットワーク接続性を確保することに焦点をあてているが、CPSはさらに先へ進み、モノから収集されたデータを分析した後の、実世界へのフィードバックに主眼を置いている。例えば、収集したデータの分析結果をもとに実世界で車両を動かす自動運転は、CPSの具体例の一つといえる。

 すでにCPSを取り入れている業界も少なくない。製造業では、工場内に設置したセンサーから得た生産ラインの状況を、過去のデータに照らし合わせ、最適な稼働のあり方や生産量をシステムが予測することで、生産ラインを最適化している。

 実際の運用にあたっては、CPSを実現するための肝となるIoT部分のセキュリティ対策が課題とされる。近年、IoT機器やそれが接続されたOT機器を入口にして組織のITネットワークに侵入するサイバー攻撃が発生している。データの収集・分析にはIoTが欠かせないが、運用管理者が不在のままIoT機器が稼働していたり、IoT機器の脆弱性を放置していたりすると危険性が増す。CPSの導入にあたっては、機器の適切な管理や、従来よりも広範なセキュリティ対策が重要になってくる。(大畑直悠)
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