視点
コミュニケーション管理から始めるDX
2022/06/29 09:00
週刊BCN 2022年06月27日vol.1928掲載
従業員それぞれが使用しているスマホや、そのスマホで日常的に使用するコミュニケーションサービス上に、企業のさまざまな活動情報が拡散し、消去できない事態が生じる恐れもある。
これは個人保有のスマホそのものを企業活動に利用することを否定するものではない。スマホで日常的に利用している個人アカウントのコミュニケーションサービスを企業活動に使うことは、情報漏えいリスクという観点から極力避けるべきである。
しかし、メールであっても独自ドメインを取得して従業員それぞれに個別のメールアカウントを付与していない企業は思いのほか多い。コミュニケーションツールの主力は今やテキストチャットやビデオチャットへと移りつつあるが、情報通信システムのユーザーIDとしてのメールアカウントの役割は健在である。もちろん、独自ドメインが使える有料のメールサービスはいくらでもある。
ファクスを使うのは生産性が低いし時代遅れだと言ってみても、顧客や取引先が使っている限り、使用を止めてほかの通信手段に変えるという選択肢は考えられない。PCやスマホのデジタルデータをファクスを介して送受信できるサービスは昔からある。また、個人保有のスマホを利用する場合は、無料で通話ができる企業内内線網を構築し運用するサービスもある。今回の新型コロナ禍を機に普及が進んでいるようだが、こういったサービスを使えば月々費用が発生するということで、躊躇する企業は少なくないようだ。
それならばオープンソースを使って、社内PC上にメール、IP電話交換、インターネットファクス、テキストチャット、ビデオチャットなどのコミュニケーションサービスを構築し、運用してみてはどうだろうか。DXの手始めに、社内のさまざまなコミュニケーションを統合管理し、その内容をすべて記録管理できるようにしよう。
- 1