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「NFT」の用語解説、役割と今後の課題は?

2022/02/01 18:33

週刊BCN 2022年01月31日vol.1909掲載

 「Non-Fungible Token」(非代替性トークン)の略称。ブロックチェーンの技術を活用し、画像や動画、音声など複製可能なデータを「唯一無二」のものとして価値づける仕組み。データに紐づけられたNFTを鑑定書のようなものとして売買することで、データのオリジナル性を担保でき、デジタルコンテンツの価値向上や権利保全などにつながることが期待されている。

 NFTのデータは世界中に分散して暗号化保存されるため、コピーや改ざんに強く、NFTに紐づけられたコンテンツの所有権が誰にあるのか、誰の手を経ているかなどを検証できる。ただし、一般的にNFTは著作権などの知的財産権を取引するものではない。

 用途はデジタルアートやゲームが代表的だが、デジタルコンテンツであれば、あらゆるものが利用対象となりうる。北米プロバスケットボールリーグのNBAでは、選手のプレー映像をデジタルカード化し、NFTと組み合わせて販売している。また、NFTにはプログラムを組み込めるため、例えば、転売時に売却益に応じた一定額を著作権者に送金するプログラムを加えれば、転売時でも著作権者が利益を得る仕組みを構築するなどの使い方もある。

 一方で、市場の急拡大に対して法整備が追いついておらず、トラブルが生じた場合、解決が難しいなどの懸念がある。このほか、ブロックチェーンを用いた取引は多量の電力消費を伴うことから、環境負荷の点から利用を批判する声もある。
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