視点
株式会社SENTAN 代表取締役 松田利夫
2020/04/10 09:00
週刊BCN 2020年04月06日vol.1820掲載
お陰でIT業界はテレワーク特需に沸いている。米国では、グループチャットのマイクロソフトTeamsのユーザーが1週間で1200万増え、ウェブ会議のZOOMは1日で60万ダウンロードがあったと経済ニュースが伝えていた。日本でも自宅待機が推奨される中、平日の朝から自宅に籠ってボーっとテレビを眺めれば、どこのチャンネルも新型コロナの話題ばかり。時折、さまざまな企業の社員のみなさんが在宅勤務に励む姿が紹介され、自宅で子どもの世話をしながら仕事をするという環境に戸惑う様子が垣間見れる。銀行までもテレワーク導入に関する情報メールを送ってくる。新型コロナ感染症流行のお陰と言うのは少々憚れるが、テレワークへの市場の関心は否応なしに高まっている。
今、インターネットで検索すれば、海外の大手ベンダーをはじめ国内の中小ベンダーが期間限定ではあるがテレワーク・ツールを無償で提供するというプログラムが数多く見つかる。ウェブ会議、グループチャット、画面共有、ファイル共有、グループウェア等々。この絶好の機会に乗じた売り込みも過熱状態だ。だが、現行の業務システムにこれらのテレワーク・ツールを個別に導入したからといって、既存の業務システムの操作性、生産性を損なうことなく、親和性高く利用できるというわけではない。コミュニケーション・ツールとしては便利だが、業務には使えないというイメージが残る。グループウェアでも、現行業務システムとの親和性を高めるには相応の部分の開発が必要となる。
そこで発想を変えて、先ずは社外からのリモート利用を前提としてユーザー、デバイス、データなどへのセキュアなアクセス管理体系を組み、社内からの利用も同じアクセス管理体系下で管理するよう現行の情報システムを組み立て直し、そこにコミュニケーション機能を補う目的でテレワーク・ツールを導入するという考えは如何だろうか?
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