企業研究 今、デジタル産業革命を起こす

<企業研究 今、デジタル産業革命を起こす NEC編>第19回 顔認証技術を働き方改革に活用

2017/11/22 09:00

週刊BCN 2017年11月13日vol.1702掲載

 NECの顔認証技術といえば、米国政府機関の評価テストにおいて世界No.1の精度・速度を達成しており、空港やイベント会場などさまざまなシーンで活用されている。働き方改革の分野でも、NECは自社の強みを生かした顔認証ソリューションを提案している。(山下彰子)

斎木 誠
パートナーズ
プラットフォーム事業部
シニアマネージャー

 時間を効率化するソリューションとして提案しているのが、PC向け認証セキュリティソフト「NeoFace Monitor」だ。顔認証によるPCログオンやログオン中の利用者の常時監視を可能とするPCセキュリティソフトで、API連携により業務アプリケーションでも顔認証ログオンができるようになる。

 斎木誠・パートナーズプラットフォーム事業部シニアマネージャーは、「IDやパスワードの入力は、PCの起動時だけではなく、例えば勤務システムなど、さまざまなアプリケーションの起動時にも行っている。そのため一日で十数回以上パスワード入力をしている。しかも、それぞれ異なるパスワードを使い分けているはずだ。一回の入力時間は短くても回数が多いと時間のロスになる」と話す。

 12月にはOBCの業務ソフト「奉行シリーズ」への顔認証ログオンを実現する。奉行シリーズを起動し、顔をかざすだけで、瞬時に認証が行われ、セキュリティを担保しながらも利便性を高めることができる。

 また、定期的に行うパスワードの変更も不要になる。「NeoFace Monitorは、認証に成功した最新の顔写真を記録していく。そのため、数年利用し、登録時の顔写真と顔が変わってしまっても、常に最新の顔情報と照らし合わせて認証を行う」と斎木シニアマネージャーは説明する。

 スムーズな入退室管理や勤怠管理、リピーター顧客の来店を知らせる顧客サービスの質向上など、働き方改革の広い分野で活用できる顔認証ソリューション。より導入しやすくするために、この秋、顔認証機能をクラウドサービスとして利用できる「NeoFace Cloud」をリリースした。これまで、顔認証技術「NeoFace」を利用するには顔認証用サーバー環境を構築する必要があったが、顔認証機能をクラウドサービスとして提供。サーバー環境の設置やメンテナンス、セキュリティ対策が不要になるだけでなく、登録情報はNECが代行して安全に管理するため、さまざまな場所や用途で安心して利用できる。

 このほか、オンプレミス環境で顔認証用サーバー環境を手軽に構築したい顧客向けには「NeoFace 顔認証システム導入セット」を用意した。顔認証ソフトウェアをプリインストールしたアプライアンスサーバーと導入サービスなどをセットにして提供する。また、現場設置時に必要となるUPS内蔵モデルなども用意し、働き方改革の推進をサポートする。
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外部リンク

NEC=http://jpn.nec.com/