企業研究 今、デジタル産業革命を起こす
<企業研究 今、デジタル産業革命を起こす NEC編>第15回 ネットワークの仮想化
2017/10/18 09:00
週刊BCN 2017年10月09日vol.1697掲載
なぜ今、ネットワークの仮想化、SDNが注目されているのだろうか。それはネットワークに求める条件が変わってきているからだ。従来は、ネットワークが落ちると、事業に支障きたす、医療の現場などでは人の命に関わるなど、重大な問題になった。そのため、障害が起きない信頼性、堅牢性が最も重要視されていた。
ところが今は、外出先から社内ネットワークに接続したい、頻繁に組織変更をしたい、事業の拡大に合わせてネットワークも拡張したいなど、ネットワークを柔軟に変更したいという要求が高まっている。そのため、信頼性、堅牢性を保ちながらも俊敏性、柔軟性を備えたネットワークが求められるようになってきた。
高石勝雄
スマートネットワーク事業部
パートナービジネス開発グループ
シニアエキスパート
一方、SDNは制御の機能をネットワーク機器から切り離し、コントローラーに搭載。このコントローラー1台でネットワーク全体を管理、制御する。コントローラーの設定変更だけで、拡張、変更が可能だ。高石シニアエキスパートは「大きく、複雑なネットワークであってもコントローラーだけの設定で拡張・変更が行える」と説明する。
SDNの特徴に加え、NECの経路制御の自動化機能を組み合わせると、よりシンプルな運用が実現する。高石シニアエキスパートは、「SDNではすべてを一つのネットワークとして捉えているので、どの機器とどの機器がつながっているか意識する必要がない。機器と機器を接続する際は、コントローラーが最適な経路を自動的に導き出してくれるので、管理者は意識せずに管理ができる」と説明する。トラブル発生時にも強く「回線が込んでいたり、ウイルス感染などによってネットワークから切り離された機器があっても、コントローラーが迂回路を導き出すのでネットワークが落ちない」と安定した運用が可能なことを強調した。
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