AIによって大きく精度が向上したとされるものはさまざまあると思います。新たな生体認証の方法として広まる兆しが見え始めている顔認証システムも、その一つではないでしょうか。今回は、独自の顔認証エンジンを活用した製品を展開するSFMを紹介します。
どんな会社なの?
庄子 治
副社長
顔認証エンジンの開発と、それを活用したソフトウェアを開発・提供しています。
SFMでは、会社設立以前から顔認証エンジンの研究開発に取り組んできており、技術としては10年ほどの歴史を誇ります。それを活用した製品として、主力製品である顔監視システムの「SFM Public Security」、顔認証でPCにログインできる「SFM Facelogin」、顔認証ゲートの「E-Gate」、ウェブカメラなどを用いて通行人の顔を分析し、データベースを即座に作成できる「SFM Facio Matcher」などをラインアップしています。
何が強みなの?顔認証技術レベルの高さです。
対象者の顔を独自の手法で3D化していることに加え、「専用のAIを用いて3D画像の精度を高めている」と話す庄子治副社長。屋内外を問わず利用できたり、写真・動画などとも区別して認証できるほか、「他社製品と比べて、認証時の情報処理にかかる動作が軽く、スピードも速い」と強調。その例として、SFM Public Securityの場合、「6万人を収容できるスタジアムにおいて、監視対象を0.1秒で見つけ出すことができる」としています。
今後の方向性は?まずは公共分野での顔認証で、世界ナンバーワンを目指します。
販売戦略としては、まずは空港、地下鉄、街中の監視、警護などの治安対策やテロ対策を目的とする公共分野への提供に注力していく方針。現在は海外での事例が多く、スリランカ、フィンランド、トルコをはじめとしたさまざまな国で、認証や監視を目的に導入・検討が進んでおり、「世界ナンバーワンの地位を確立する」(庄子副社長)とのこと。その後、自動運転や決済、マーケティングなど、他の分野へ顔認証製品を展開していく考えを示しています。
また、現行の顔認証エンジンからさらに進んだ、新たなエンジンの開発も強化していきます。「顔が横を向いていたり、マスクやサングラスを着けていたりなど、一般的に顔認証するのが難しいとされている条件下でも認証できるだろう」と話し、「2年後までには製品化したい」と、力を込めます。
よろしくSFM
SFMは、「顔の研究」からはじめ、顔の認証技術を追究してきました。「人間の脳は、光が当たって見えづらいといったなかでも、顔をきちんと判別する。当社の顔認証の技術も、専用のAIを用いて、脳と同じような処理をしていくことから始まっている」と庄子副社長は話します。そうして磨きのかかった顔認証のエンジンを使い、将来的には、セキュリティ分野にとどまらず、顔認証技術を活用できる他の分野にも進出していく構えです。SFMは「顔認証システム」でイッポ前へ!