当初から「100%間接販売」の提供モデルをとっているSonicWallは、デルグループからの独立と同時に、販売チャネル向けの取り組みを再強化する。すでに海外市場では施行している新パートナープログラムを日本国内にも導入するほか、パートナー営業体制にも投資を行い、チャネル支援策を充実させる。(日高 彰)

11月11日、SonicWallが国内の報道関係者に向けて行った新体制の説明会で、同社は販売チャネル向け施策の説明に最も多くの時間を費やした。米SonicWallのスティーブ・パタキー・ワールドワイドセールス担当バイスプレジデント(写真右から2人目)は「従来大企業向けを中心としていたセキュリティ企業がSMB(中堅・中小企業)市場に手を広げようとしているが、SMBはメーカー直販よりも、地場の販売店との取引を好む傾向が強い」と指摘。同社はSMB市場にフォーカスし、顧客にきめ細かいサポートを提供できるローカルパートナー経由の提供形態に当初より特化していることから、SMB向けのセキュリティ市場では今後も優位にビジネスを展開できるとの見方を示した。「大量のSonicWall製品を扱ってくれる企業はもちろん、年間販売台数が10台といったリセラーもわれわれの重要なパートナー。“We love channel partners”と声を大にしていいたい」(パタキー氏)
すでに北米では新パートナープログラム「SecureFirst」をスタートしており、来年2月から日本の販売パートナー向けにもこれを施行する。新規顧客を獲得したパートナーにはより多くのインセンティブを支払うほか、提案をスムーズに進められるよう、販促資料や商談ノウハウなどをまとめたポータルサイトを用意する。
スコット・マクラディ・アジア太平洋&日本地域担当バイスプレジデント(写真左端)は「セキュリティ対策は包括的に行わなければいけないと同時に、簡単に扱えるシンプルなものでなければならない」と話し、製品設計・販売戦略の両面でより“売りやすい”製品にしていく方針を強調する。製品マーケティング担当のケント・シュアート・ディレクター(写真右端)は、より包括的なセキュリティを実現するカギとして「クラウドベースの標的型攻撃防御サービス『Capture ATP』が日本国内でも提供が可能になり、SMBでも大企業並みの高度な対策が行えるようになった」と紹介。Capture ATPは昨年リリースした最新OSで利用可能となるため、旧製品を使っている顧客のリプレースも加速しそうだ。
国内のSonicWall事業を統括する藤岡健・代表によると、パートナー担当営業部隊を増員したほか、同社への直接の引き合いをパートナーに取り次ぐインサイドセールス担当者を新たに設置したという。また、公共・文教・サービス事業者などをハイタッチ営業の注力分野としているが、この領域でもパートナーと一体となって動く“sell-with”の体制で取り組む考えを強調した。