世界の水総使用量の約7割が農業用水だといわれています。日本の農業において水不足はあまり聞きなれないかもしれませんが、世界では干ばつが度々発生するなど、深刻な影響を及ぼしています。こうした農業における水利用について、ITの側面から取り組むのがSenSprout(センスプラウト)です。
Company Data会社名 SenSprout
設立 2015年1月9日
代表者 三根一仁代表取締役
所在地 東京都文京区
事業概要 農業センサの開発販売、農業に関わるインターネットサービスの開発運用
URL:http://sensprout.com/ja/ どんな製品なの?
桜庭康人
マネージャーセンサで土のなかの水分量を計測する製品です。
SenSproutでは、センサで土壌中の水分量を計測します。家庭菜園用製品と農業用製品があり、家庭菜園用はプランターの深さ、農業用製品では地中10cm、20cm、30cmの水分量を計測できます。また、農業用では地上の温度を計ることも可能。計測したデータはゲートウェイの機器を通してクラウド上に保存され、ブラウザやスマートフォンアプリに出力します。
何が新しいの?プリンティング技術を応用した低コストのセンサを活用しています。
同社の技術アドバイザーを務める川原圭博・東京大学大学院情報理工学系研究科准教授の研究室で開発した静電容量センサを活用しています(製品写真茶色の部分がセンサ)。これは銀ナノインクやインクジェットプリンタを使い、安く手軽につくれることがポイント。そのため、農業用製品でも10万円程度まで価格を抑えることができました。
どんなビジネスモデルなの?ハード価格に加えて、オプションサービスなども検討中です。
現在商品化しているのは家庭菜園用のみで、こちらは1万円で購入できます。農業用は実証実験中ですが、10万円前後で販売する予定です。また、今後何らかのオプションサービスをつくることも検討しています。
今後の計画は?養分量の計測や、製品の海外展開などを予定しています。
桜庭康人マネージャーによると「土壌中の養分の量も測りたい」という農家のニーズが多く、養分も測れるように研究中とのこと。また、実証実験は日本だけでなく米国やインドなど海外でも行っており、将来的には海外展開も行う計画です。

よろしくSenSprout
水やりは、これまで人の経験や勘頼りで行われてきました。いうまでもなく、水分量は食物・作物に大きく影響します。また、日本はともかく、海外の乾燥地帯などでは限りある水資源をできるだけ最適に利用したい。こうした課題の解決を、SenSproutは支援しています。
実証実験では、水分量と作物のおいしさの関係性も研究中。名産地のおいしい作物をほかの地でもつくれるのか、答えを見出してくれるかもしれません。SenSproutは「農業センサ」でイッポ前へ!