新しい中期経営計画の最初の年となった今年度（2015年3月期）は、ネットビジネスを積極的に推進するという方針に則り、新規事業に力を入れている。具体的には、ビジネステンプレートを無料で提供するビジネス情報ポータルサイト「bizocean（ビズオーシャン）」の拡充を図っている。サービスを無償提供し、広告収入をマネタイズの柱とするビジネスモデルであるため、広告のためのホワイトスペースを広げていかないと収入は増えない。すでに会員は130万人を超え、1日あたり1000人以上のペースで会員が増えている。勢いのある事業なので、本格的に収益の柱に育てたい。

　ビズオーシャンの会員を分析すると、40％以上が経営者や管理者の立場のビジネスパーソン。彼らに対して、例えばCMS（コンテンツマネジメントシステム）のようなクロスセルで訴求できるクラウドサービスも準備し、サービスプラットフォームとしての機能を高めていく。

　既存事業の会計・税務システムもしっかり伸ばす。導入案件の28％は新規顧客で、この比率を高めたい。一方、保守契約も順調に増えていて、全体としては、プロダクトミックスをストックビジネス重視にシフトしていく。また、昨年9月には、中小企業の事業承継や事業再生を支援する子会社を設立した。パートナー会計事務所の顧問先企業の事業継続や雇用の維持を支援する取り組みであり、会計事務所にとっては、顧客基盤を守ることにもつながる。強力なオプションサービスになると考えている。