利便性の高い電子行政サービスを提供するためには、各種データのオープンな利用環境を構築することに加えて、政府や地方公共団体自身のIT投資も、業務改革を徹底したうえで行う必要がある。
政府プラットフォームに集約してクラウド化
その前提となる取り組みとして、昨年、内閣官房と総務省が主導し、政府情報システム改革に関するロードマップを策定した。2012年度時点で約1500ある中央省庁の情報システムを、2018年度までに半減し、2021年度をめどに運用コストを3割削減するという目標を掲げている。具体的には、昨年運用を開始したクラウドによる政府の共通プラットフォームにシステムを集約するとともに、出先機関などの類似システムの統廃合などを進める。この措置によって、2018年度には情報システムを619まで減らし、252システムを政府共通プラットフォームに集約してクラウド化する。
また、社会保障・税番号制度を導入する行政分野について、個人番号の利用の仕方や情報システムへの影響などを整理し、2014年度の早い時期に、システム改修の投資計画や、行政サービス・業務改革の具体的な計画を策定する。
さらに、職員のワークスタイルの変革も促す。モバイル端末やウェブ会議の利活用、電子決裁の推進などを通じて、公務の生産性を高めつつ、災害時も適切に業務を継続できる環境をITで構築する。
また、自治体クラウドの推進も徹底する。番号制度が導入される2016年度までを自治体クラウドの集中取り組み期間と位置づけ、モデル事業の支援や財政措置を強化する方針だ。(本多和幸)