燃えよユーザー会 ~もっとITを有効活用したいユーザー企業へ~
<燃えよユーザー会 ~もっとITを有効活用したいユーザー企業へ~> 低温物流の使命を守る!――ユニシス研究会
2014/03/18 20:28
低温物流で働いてもらいたい
ITは、本当にあらゆるビジネスシーンで必要不可欠なものになった――ユニシス研究会の研究活動から、そのことを改めて認識させられた。関東地区で10番目のグループとして研究活動をしてきた関東10グループは、物流関係者の集まりだが、ユニシス研究会であるからにはITが研究テーマになる。当初は営業活動向けのソリューションを模索したそうだが、方向転換。研究テーマは「低温物流」になった。「低温物流を知ってもらい、次世代の若者に低温物流で働いてもらいたい」のコンセプトで、メンバーの気持ちが一つになった。活動のなかで、メンバーたちは低温物流がどのように紹介されているかを知るために、東京都港区高輪にある物流博物館を訪ねた。ところが、物流博物館には低温物流関連の展示がない。博物館に相談すると、毎年、小学5年生が社会科見学に来るので、その機会に説明したらどうかというアドバイスをもらった。これをきっかけに、活動は一気に活性化した。「次世代の若者に低温物流で働いてもらいたい」との使命感に火が着いたのだ。
小学生に理解してもらうために作成した低温物流の説明資料と、それをもとにした説明会は大好評を博した。研究活動発表会で登壇した日立フーズ&ロジスティックスシステムズの大川詩織氏は、「低温物流の使命は、おいしい長もち温度を守って、みんなのもとへ届けること」。発表会でも、物流博物館での説明同様、低温物流の役割や魅力を紹介した。
低温物流の使命を守る!
研究活動の期間中に、低温物流業界でクール便の温度がしっかり管理されていないことが発覚するという事件が起きた。低温物流での使命である「おいしい長もち温度を守って、みんなのもとへ届けること」が、守られていなかったのである。このままでは低温物流業界のイメージダウンにつながってしまう。メンバーたちは「使命をアピールする方法はないのか」と考えた。そこで浮かんできたのが、温度の可視化である。グループは、実証実験に取り組んだ。実験で採用したのは、タイムマシーンが調剤薬局用に開発した温度管理クラウドソリューション「TMサーモスコープ」。冷蔵庫などに設置したセンサから情報を集め、温度の状況を可視化することで空間内の温度の履歴管理などができ、さらにクラウドなので、どこからでも温度の履歴を把握できる。
グループ内での実証実験の評価では、温度の履歴をアピールできる点はいいのだが、管理できるのが空間の温度という点に疑問が呈されたという。「本来は商品の温度を管理すべき」というわけだ。次の機会には、商品温度管理への挑戦が期待されるところだ。
「チャレンジ賞」を受賞
研究活動発表会の最後に行われた表彰式。発表賞、チャレンジ賞、審査委員特別賞、優秀賞、最優秀賞の各賞は、すべての発表が終わった後に審査員が集まって決定する。どこが受賞するのかわからないという緊張感が会場を漂い、最後に「スマートデバイスを用いたタスク管理業務の効率化」で最優秀賞を受賞した関東1グループのメンバーは、全員が感極まっていた。そうしたなかで、「低温物流」の関東10グループは、研究活動の成果を上げようとチーム一丸となって取り組んだグループを表彰する「チャレンジ賞」の栄冠を勝ち取った。「低温物流の魅力を伝えたい」というグループの熱い思いが評価された。各賞に選ばれた研究活動のテーマは以下の通り。
<最優秀賞>
「スマートデバイスを用いたタスク管理業務の効率化」
<優秀賞>
「ビッグデータ分析結果のマーケティング活用」
<審査委員特別賞>(3グループ)
「スマ×スマ!【スマートデバイスのスマート活用】」
「Jenkins活用における社内業務自動化の促進」
「位置情報技術でリコール難民を救え!」
<チャレンジ賞>(2グループ)
「これが低温物流の魅力」
「若手IT技術者の活躍」
<発表賞>(2グループ)
「O2Oの潮流を踏まえた新しい消費者導線の創出」
「ぼくらにもきっとできる!チームで取り組むビッグデータ」
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