アベノミクス効果もあって、企業のIT投資はリーマン・ショック前をしのぐ水準になってきたと感じている。売上高、利益とも2013年は10％以上成長している。消費税改正やWindows XPマイグレーションの追い風はあるが、GRANDITの認知度が導入事例の増加につれて高まってきたと実感する。

　ただ、市場に対する懸念として、ユーザーもITベンダーも、ベストプラクティス信仰に捕らわれていると感じる。本来、ERPは導入してからの運用が一番大事だ。ユーザーは事業をどう発展させていくのかというビジョンをしっかり掲げ、それをITベンダーがきちんと理解して、的確に支援するシステムを提供すべきなのに、現実はそうなっていない。

　その点、GRANDITコンソーシアムのメンバーは、ユーザー企業の情報システム部門がスピンアウトした企業が多い。基幹システムの運用ノウハウは非常にすぐれており、GRANDITがアフターサポート面で高い評価を受ける要因となっている。2014年は、こうしたサービスを体系化してユーザーにその価値を訴求していく。地味ではあるが、本来あるべき事業を進めるべきだと思っている。

　また、GRANDITコンソーシアムの拡充も考えている。基幹システムに求められる機能の範囲はどんどん広がっている。SIerのメンバーだけではそうした要求に応えられなくなってきている。GRANDITを、単なる製品名からビジネスプラットフォームに進化させていく動きを、2014年から加速させる。