燃えよユーザー会 ~もっとITを有効活用したいユーザー企業へ~
<燃えよユーザー会 ~もっとITを有効活用したいユーザー企業へ~> 国内最大規模の“熱い”ユーザー会――全国IBMユーザー研究会連合会
2013/11/13 20:28
日本IBMとの関係はイコールパートナー
全国IBMユーザー研究会連合会(U研)は、会員であるユーザー企業によって運営されている。日本IBMとの関係は黎明期から“イコールパートナー”としているが、会員の意識の高さは際立っている。例えば、年に1期開催されるU研主催の研修会「iSUC(アイザック)」は、地方での開催にもかかわらず、毎回約1000人の参加者を集めている。2013年の開催地は別府で、参加費は会員で6万円(早期申込みは5万円)。宿泊費や交通費も参加者負担となる。参加者は、それほどの価値をこの研修に認めているのだ。では、会員のモチベーションはどこにあるのか。一つは会員の横のつながりの形成と、そこでの情報交換にある。約2000社の会員がいて、業種・業態の垣根を超えたやり取りが期待できること。もう一つは、地域性だ。U研には地区のユーザー会組織があり、その数は実に15。新潟や長野、岡山といった県単位の組織もあり、それぞれの地域特性に合わせて活動している。大都市圏だけのユーザー会とは違い、より細やかな地域の情報交換ができる。さらにいえば、100年以上の歴史をもつIBMとその製品の魅力が多くのユーザー企業を引きつけているのかもしれない。IBMの歴史と同様、U研にも長い歴史がある。
先述したように、U研の起源は、1961年に発足した全国ユーザー会。それ以前にも、1947年に関西で「関西統計機研究会」など、ユーザー企業同士で自然発生的に情報交換を求めるようになっていた。
機関紙の創刊は1962年
ユーザー向け機関紙『IBM Users』の歴史も長く、創刊号の発行は1962年5月10日。当時はタブロイド紙だったが現在では雑誌形態で、ユーザー研究会機関誌として発行されている。ウェブサイトもU研で構築しており、会員向けサービスのeラーニングなどの研鑽プログラムも提供している。会員限定サイトには、電子図書館やお役立ち情報というコーナーがあり、そこでは日本IBM発の情報――例えばエンジニアによる情報発信コーナーも設けている。電子図書館では、論文のほか、セミナーや研究会の資料、ビデオ配信などを提供し、会員であればすべてのコンテンツを閲覧できる。
汎用機全盛時代と違い、現在ではさまざまな情報を簡単に入手できる。歴史のあるユーザー会ではあるが、こうした時代背景を考慮し、時代とともに変わっていかなければいけないとU研自身が考えているという。IT部門以外に向けたコンテンツもその一つ。例えば「仕事の進め方」「女性管理職の登用」「海外進出のノウハウ」などのコンテンツを用意することによって、経営者や総務、経理など、IT部門以外の人も参加できるようにする考えだ。
創刊号はU研のWebからダウンロードできる
入会資格: 日本IBMのシステムやサービスを利用しているか、利用予定で、IBMユーザー研究会の趣旨に賛同する企業・団体
入会金: なし
会費: 30000円
会長: 武田敏明(NYK Business Systems 社長)
主な活動: セミナーやユーザー・シンポジウム、研究会、論文、e-ラーニングなど。ウェブ上の「電子図書館」では、過去の論文や最新情報などを閲覧できる
会報誌: 『IBM USERS』(紙版「IBM USERS」とPDF版「IBM USERS mini」の2本立て
会員企業数: 約2000社
発足: 1961年
その他: FISA(情報システム・ユーザー会連盟)に加盟
イベント/セミナー: iSUC(http://www.uken.or.jp/isuc/)、IBMユーザー・シンポジウム(http://www.uken.or.jp/symp/)、日本GUIDE/SHARE委員会(http://www.uken.or.jp/jgs/)など
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外部リンク
全国IBMユーザー研究会連合会=http://www.uken.or.jp/
iSUC=http://www.uken.or.jp/isuc/