IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>145.まとめ フロントでのIT活用、試されるITCの腕
2013/10/03 16:04
週刊BCN 2013年09月30日vol.1499掲載
預金を受け入れ、事業資金を貸し出すことによって企業経営を支援する信用金庫は、中小企業と緊密な関係を築いている。ITC協会は今回の提携によって、各地の信用金庫にITCを紹介し、信用金庫は取引先である中小企業の経営を支援するためにITCを活用する。ITCによる支援によって、中小企業の事業を活性化することを狙いとしている。
ITC協会と信金中央金庫は、(1)ITCの仕事の確保(2)中小企業のIT化の促進(3)IT化による中小企業の活性化を図り、信用金庫にとって融資した資金を返済してもらいやすい環境を整えるという三点を目指している。
制度の展開にあたって問われるのは、生産管理や営業力強化など、フロントでのIT活用をいかに実現するかだ。従来通り、財務会計や人事給与管理といった後方業務でITを活用するだけでは、ビジネスの活性化につながらないからだ。
中小企業は生産性や競争力を高めることを急務としていて、とくにフロントでのIT活用に対するニーズが高まってきている。そんな状況のなかで、ITCの役割も大きく変わってきた。多くのITCは、これまで主にバックエンドのシステム構築を支援してきたこともあって、「クラウド」や「モバイル」「ソーシャル」を取り入れたフロントでの支援についてはスキルが不十分だといわざるを得ない。だからこそ、ITC協会と全国のITCたちが密に連携を取って、新しい技術のスキルを取得するための活動が求められる。
今号をもって終了するこのシリーズでは、ITCがフロントでのIT活用をサポートする事例を数多く紹介してきた。例えば、福井県小浜市に本社を置き、木製の食品包装化粧樽の製造・卸販売を手がける吉田桶樽商店。ITCの先織久恒氏とともにホームページを立ち上げ、全国での顧客開拓を進めている事例だ。
ホームページの立ち上げやFacebookやTwitterでの情報発信──。クラウド/モバイル時代に適した新しいITC像が求められている。(ゼンフ ミシャ)
- 1
関連記事
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>144.ITCとクラウドサービス(下) 動き始めた中小・零細企業のクラウド活用
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>143.ITCとクラウドサービス(上) ITCとの協業に取り組むITベンダー
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>141.ITC Conference 2013(上) ITの活用で生産性を向上