IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>128.秋東精工(下) ウェブサイトは最強の営業マン
2013/05/30 16:04
週刊BCN 2013年05月27日vol.1482掲載
サイト構築にあたって最初に取り組んだのは、コーポレート・アイデンティティ(CI)など、経営戦略の見直しだった。「ウェブサイトでは、閲覧する人に対して、どんな会社なのかを効果的に伝える必要があった」(野中ITC)からだ。そこで、秋東精工の経営理念を「Assemble for the Smile」と定めて、「顧客の笑顔を大切にすること」と「ものづくりを楽しむこと」に重点を置いて、企業の象徴であるロゴマークを作成。その結果、「社員の意識が、いろんな業種の企業にプラモデルを活用してほしいというふうに変化した」(柴田社長)という。
次に、企画や設計の案件を獲得するために、ウェブサイト経由で獲得する顧客層を既存顧客であるプラモデルメーカー以外に絞り、サイトを構築。「プラモデルの企画から設計、製造までの流れを詳細に説明したほか、写真を利用して企画から製造までを依頼できることや、技術力の高さが伝わるように工夫した」(野中ITC)。また、ノベルティ会社や工業メーカーの事例を挿入して、複数業種に対応できることを前面に押し出した。
ウェブサイトは2011年に構築したが、効果は絶大だった。自動車メーカーやアパレル、重機メーカーなど、従来にはなかった業種から案件を複数獲得しており、「撮影用の小道具として、映画制作会社からプラモデルの企画から製造まで請け負ったこともある」(柴田社長)。また、これまではあまりつき合いのなかった北海道など遠方地域や、韓国など海外の企業からも問い合わせが来るようになって、現在、工場はフル稼働の状態だ。
柴田社長は、「ウェブサイトは、現在では最強の営業マン。構築してからまだ2年ほどだが、サイト経由の案件が売り上げの約3割を占めるまでに成長している」と効用を語った。(真鍋武)
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