IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>125.ECOプライス(上) ウェブでフィギュアの持ち主を募集

2013/05/09 16:04

週刊BCN 2013年04月29日vol.1479掲載

 ECOプライスは、鉄道模型やフィギュアを買い取りして、ウェブのオークションサイトで販売する。代表取締役を務める坊野亮平氏が高校時代の友人とともに2012年5月に設立した。念願だった自立を実現したスタートアップ企業だ。

 同社が借りている東京・足立区のマンションは、事務所兼倉庫だ。室内は、販売を待っている鉄道模型やフィギュアで溢れている。「当社は、販売にオークションサイトを利用しているので、在庫を残すことなく販売することができる。肝心なのは、ネットに出品するモノをいかに効率的に入手するかということだ」(坊野氏)。

 ECOプライスはコスト削減のため、二人体制で動いている。宅配買取から在庫管理まで、すべての業務を坊野氏が相棒と二人で手がける。店舗を借りずに、人件費や家賃などの維持費を抑える目的で、ウェブサイトをつくった。鉄道模型やフィギュアの無料査定、買取を行っていることをウェブで知らせている。

 ECOプライスの立ち上げを支援し、ウェブサイト作成の指揮を執ったのは、ITコーディネータ(ITC)の秋山好成氏だ。坊野氏が自立する前に同じ会社で働き、後輩である坊野氏の夢を支えたいという思いから、ボランティアでITCのノウハウを提供した。

 フィギュアの買取を行う事業者のサイトは、派手な色を使い、ごちゃごちゃしているものが多い。坊野氏と秋山ITCは、彼らとの差異化を目指して、モノクロを基調としたシンプルなサイト構成にこだわった。ウェブデザイナーを巻き込んで、およそ2か月をかけて、昨年7月、サイトの開設にこぎつけた。

 「ロボット物や美少女フィギュアがよく売れている」。坊野氏は、ビジネスが軌道に乗りつつあることを実感している。SEO対策を実施したおかげで、ECOプライスのサイトが上位に表示されるようになり、「フィギュアを売ってくれるお客様が確実に増えた」という。

 坊野氏は、日本のフィギュアは欧米やアジアでも人気を集めているとみて、海外展開を視野に入れている。決済はオークションサイトのシステムを使うので、自社で仕組みを用意する必要がない。「英語の勉強をして、将来的には海外向けに事業を展開したい」と坊野氏は意欲を示している。(ゼンフ ミシャ)
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