視点
法人・個人の境目のないモバイルアプリが有望
2013/03/28 16:41
週刊BCN 2013年03月25日vol.1474掲載
モバイルクラウドのアプリをみると、成功しているものは、やはりコンシューマ領域でも広く使われており、それが法人の環境にも入り込んで使われるようになっていることが多い。ソーシャル系のアプリケーションをはじめ、Dropbox、Evernote、SugarSyncなどのストレージ系モバイルクラウドアプリケーションの成功モデルはこのパターンによって地位を確立したといってもいいだろう。IT部門が十分に管理できないことが問題点として指摘されることも多いことから、現実の運用にはBYOD(個人端末の業務利用)と絡めて解決しなければならない点も多いが、普及させるという観点に立てば学ぶべきことが多い。
個人が法人の領域で活用できるビジネスアプリケーションは豊富に提供されてはいても、ユーザーインターフェースがばらばらであったり、個別の認証が必要であったりと、統合環境でないために、結果として個人ユースにとどまってしまっていることも多い。米国ではMDM(Mobile Device Management)にとどまらず、MAM(Mobile Application Management)として、アプリケーションのモビリティを担保しようとする動きがユーザー側で始まっている。
一方で前述のように、コンシューマ側からさまざまなアプリケーションをモバイルで活用するアプローチが急速に広がっている。これを追い風として、個人が常日頃から定常的に使い続けるモバイルアプリケーションを、法人としてのビジネス環境のなかでも十分活用可能な環境を整えることも重要になってくるだろう。もちろん基幹システムに連携するか否かの判断やセキュリティの確保などの課題はあるが、ベンダーにはぜひともチャレンジしていただきたい領域だ。
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