IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>118.中小企業IT経営力大賞 「中小企業IT経営力大賞 2013」の記念式典が開催

2013/03/14 20:29

週刊BCN 2013年03月11日vol.1472掲載

 ITコーディネータ協会(播磨崇会長)は、経済産業省などとともに、2月21日、「中小企業IT経営力大賞 2013」の記念式典を東京・港区で開催した。

 大賞(経済産業大臣賞)を受賞した企業は、京都で衣類のケアメンテナンスサービスを展開するハッピー(橋本英夫代表取締役)と、タイヤ成型ドラムを手がける福岡の森鐵工所(森春樹代表取締役)。

 ハッピーは、低迷するクリーニング業界にあって、インターネットや宅配便を活用して顧客を集める無店舗型営業を開始し、顧客の衣服1点ごとに最適な処置を施すケアメンテナンスサービスを提供。衣服を患者に見立てて、自社開発の電子カルテシステムを活用して管理しており、顧客と意思疎通を図りながらニーズに対応していることが評価された。

(左から)ハッピーの橋本英夫代表取締役、経済産業大臣政務官の佐藤ゆかり参議院議員、森鐵工所の森春樹代表取締役

 森鐵工所は、タイヤ成型ドラムで世界シェア約40%を占めているが、近年、製品の価格圧縮を取引先から求められるようになっていた。そこで、低価格ながらも、品質の確保や納期の短縮を実現するために、積極的なITの利活用を開始。CAD/CAM、24時間無人運転できるマシニングセンタ(数値制御工作機械)、進捗管理のためのITシステム・TVモニター、営業効率の向上のためのiPadの導入などによって、内製比率を上げ、社員一人あたりの生産高を2倍に向上したことが評価された。

松島克守
審査委員長
 このほか、優秀賞を10社、特別賞を2社、審査委員奨励賞を7社が受賞した。

 審査委員長を務めた松島克守氏(工学博士)は、「今年は203件の応募があったが、どの企業も内容は非常に充実していて、経営者からはITを利活用することで勝ち残っていくのだという気概を感じた。また、クラウドやiPadなど、最新の技術を活用している企業が目立った。『中小企業IT経営力大賞』は、今回で6回目の開催となるが、今後も中小企業がITを活用してすぐれた経営を実践していくことを期待したい」と講評した。(真鍋武)
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