IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>110.トライ(下) サーバー導入でレスポンス向上

2013/01/17 20:29

週刊BCN 2013年01月14日vol.1464掲載

 電気・空調工事業のトライでは、田根政明・取締役総務部部長が実質的に全社の情報システムを管理・運用していた。しかし、兼務でこなすには徐々に限界がみえ始めていた。

 当時、さいたま支店から東京本社のHDDファイルを開くのに時間がかかり、従業員にストレスが溜まっていた。同社のコンサルティングに携わることとなった廣木秀之・ITコーディネータ(ITC)は、解決策として、本社にデルのローエンドサーバー「Dell PowerEdge T110」、支店にバッファローのネットワーク対応HDD(NAS)を導入。本社でよく使うファイルをサーバーに格納し、支店でよく使うファイルは支店のHDDに格納するようにした。全体のデータ容量が大きいので、普段ほとんど使わないファイルは本社サーバー上のみで保管する方法を採った。

 サーバーとHDDの導入を通じて、両事業所で使う頻度が高いファイルは事業所のLAN内での使用となり、レスポンスが速くなった。本社と支店間のデータは、毎晩バックアップして翌日の朝には整合性がとれる状態にしている。田根取締役は、「共有ファイルにアクセスしてから開くまでの時間が速くなり、支店からの不満がなくなった」と手応えを語る。

 次なるIT改革として、スマートデバイスの本格活用や見積りソフトの導入を検討中だ。2012年10月に業務使用のiPadを導入して以来、さいたま支店長がスケジュール管理に活用している。田根取締役は、「スマートフォンを使って外出先からデータを参照できるようにしたい。ただし、個人のスマートフォンを使うことになるので、セキュリティ面などを慎重に検討している」と説明する。

 見積りは、個人で管理しているので、問い合わせがあった際に、担当者以外が対応することが難しい。一方で、なかなか業務に適合するソフトが見つからず、Microsoft Excelを駆使している状況だ。(信澤健太)

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