IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>109.トライ(上) 事業拡大で自前主義に限界

2013/01/10 20:29

週刊BCN 2013年01月07日vol.1463掲載

 東京都台東区に本社、埼玉県さいたま市に支店を置くトライ(澤田護視代表取締役)は、電気・空調工事を手がけている。創業はおよそ10年前。工事会社でありながら、技術者のほかに数人の営業担当者を抱えていて、営業力を強みとしている。田根政明・取締役総務部部長は、「顧客を直接開拓することに力を入れている。最近は、LED照明工事の専門ウェブサイトを立ち上げて、相当数の問い合わせをいただいている」と会社の方針と実状を話す。

 田根取締役は、社内の情報システム担当を兼務していたが、事業の拡大とともに抱える業務が増大。年を重ねるごとに、田根取締役だけでは解決できない課題が生まれていた。田根取締役は、「もう限界だ」と音を上げた。「自前主義で、パソコンとLANをつないでいた。支店ができてからは、支店から共有ファイルを覗くことができるようにようにした。ただ、しばらくしてネットワークがつながりにくいことがあった。また、サーバーは導入せずに、市販の外付けHDDを使用していたが、プロに相談して現状をみてもらうことにした」と振り返る。

 中小企業向けのコンサルティング実績が豊富な廣木秀之・ITコーディネータ(ITC)に助けを求めた。「廣木さんのウェブサイトを見て、中小企業に強くて実績があり、コンサルティングの料金が高額ではないところに魅力を感じた」(田根取締役)。

 相談を受けた廣木秀之ITCは、「トライには、やりたいことがたくさんあった。まずは棚卸をして、コストを鑑みながら重要度が高くて緊急性の高い順に優先度をつけて、取り組むべきことを決めた」と説明する。まずは、業務に支障をきたしかねないITインフラ関連の課題を解決することに着手した。

 当初は、クラウドサービスの利用に加え、支店のHDDに本社サーバーの全データをバックアップすることを計画したが、施工前の現場を撮影した写真など、大容量のデータが格納されていたので、インターネット経由では数日かかってしまうことが判明。そのため、自動でのバックアップは難しく、ほかの施策を模索することとなった。(信澤健太)

LED照明工事の宣伝に力を入れている
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