ITコーディネータ（ITC）が中小企業のIT化を支援する範囲が広がってきている。基幹システムの刷新やホームページの活用といったように、ITCのサポート活動の形態も多様化しつつある。従来は、ITCが企業を個別支援するスタイルが多かったが、最近は、セミナーや講座などによって、企業が支援を受けるうえでのハードルを下げたかたちでサポートを行う活動が増えている。

　神奈川県の茅ヶ崎商工会議所は、地域のITコーディネータと協働し、8月21日～9月14日、茅ヶ崎の中小企業のホームページ制作を支援する講座を、5回にわたって開催した。講座には、茅ヶ崎市にある約30社の中小企業の関係者が集まり、ウェブ活用に精通するITCがホームページの企画やコンテンツ制作の基本知識を教えながら、実際にホームページをつくってみる体験学習のかたちで行われた。

　講座のコンセプトは、「Free＋1」。無償のウェブサイト制作ツール「みんなのビジネスオンライン（みんビズ）」を利用し、ITCのノウハウをつけ加えることによって、企業のウェブ活用を支援するというものだ。ホームページの強化によって、地域の中小企業の販路開拓や売上拡大を目指す。

　講座の準備と実行は、3人のITCが担当した。今年前半に調布市東つつじヶ丘の「ウイスタリア洋菓子店」のホームページ活用を支援し、店の売り上げを伸ばしてきた小林邦人ITC（アウトライヴ代表）は、同洋菓子店の成功事例を踏まえて、ホームページ制作・活用の要点をまとめて、講座のカリキュラムをつくった。そして、講師として江口誠四郎ITC（情報経営コンサルティング代表）がホームページづくりの基本を教え、実習では、小菅康浩ITC（湘南アイティケア代表）が「みんビズ」の操作をレクチャーした。

　講師を務めた江口ITCは、「中小企業は、営業力を強化するために、ホームページの活用が不可欠。今回の初級コースを通じて、ホームページ活用のイロハを伝え、今後、個別の支援によって、ホームページの実際の改善・強化をサポートしたい」と語る。（つづく）（ゼンフ ミシャ）

「ホームページ制作講座」ITCのチーム