視点
クラウドサービス再販体制構築の動き
2012/10/11 16:41
週刊BCN 2012年10月08日vol.1451掲載
そのようななかで、クラウドサービスを拡販する目的でクラウドサービス・インテグレーションを引き受けるSIerの協業を進めておられる事業者のお話をうかがったり、データセンター事業者の方々から、再販をするためのクラウドサービスをできるだけ多く集めたいとの相談を受けたり、また、中小企業の社内情報システムをクラウド上へ移行するお手伝いを要請されたりといったことが私たちの周りで頻繁に起こるようになってきた。興味深いのは、相談に来られる方々が、情報技術産業の枠組みを越えて、商社、事務機器製造販売業、総合家電製造業などとさまざまな業種に広がってきたことである。これらの方々とお会いして印象深いのは、クラウドビジネスをマーケティング戦略や販売体制の視点から考えられて、クラウドサービスの再販プロセスを自身の製品販売プロセスと統合することに重点を置いて検討しておられる点である。これまで情報技術産業がけん引してきたクラウド市場において、マーケティング戦略や販売プロセスをより重視する他業種事業者が参入し、クラウド市場をけん引するプレーヤーに幅が出てきたことは市場の振興のためには望ましい傾向といえよう。
第三者ホスティングによるクラウドサービスに付加価値を与えて再販するクラウドサービス・ブローカーという役割とともに、幅広い選択肢のなかからクラウドサービスを取捨選択して、ユーザーニーズに合うようにクラウドサービスを再構成するというクラウドサービス・インテグレータの役割が、市場振興の鍵を握る段階に入ってきたのである。
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