IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>94.ITC Conference 2012(上) 「ITCの新時代」を語る

2012/09/20 20:29

週刊BCN 2012年09月17日vol.1448掲載

 特定非営利活動法人「ITコーディネータ協会」は、8月24~25日、全国のITコーディネータ(ITC)が集まる大規模のイベント「ITC Conference 2012」を、東京プリンスホテル(東京都港区)で開催した。イベントを取材し、その様子をレポートする。

 カンファレンスの今回のテーマは、「ITコーディネータ新時代~お客様価値の創造」。クラウドコンピューティングやモバイル端末といった新しいIT技術やツールが普及する状況にあって、ユーザー企業は今後、ITCに対して何を求めるのか。カンファレンスでは、基調講演や事例紹介、パネルディスカッション、交流会などを通じて、「ITCに求められる新たなスキルは何か」に迫った。

 ITコーディネータ協会の播磨崇会長は、会場に集まった数百人のITCに向けて挨拶し、認定資格制度の改善など、協会が抱えている課題を迅速に解決する考えを示した。播磨会長は、「ITC支援の対象となる中堅・中小(SMB)企業は、市場を取り巻く環境の変化に対応するために、クラウドの活用やグローバルへの進出などによって、ビジネスのイノベーションに取り組むことが不可欠となっている。そして、SMBのイノベーションを実現するために、経営とITの両方に精通するITCが非常に重要な役割を果たす」と、これからITC活動の可能性が広がるという見通しを語った。

 ITCはこれまで主に、(1)WordやExcelといった基礎ITの導入・活用、(2)販売管理や在庫管理を中心とする業務基幹システムの刷新のほか、近年では、(3)ネットショップの立ち上げなど、インターネットの活用──の三つに関して、ユーザー企業を支援してきた。今後は、クラウドやモバイルも積極的に活用し、これら新しいITツールを経営改善につなげることによって、ユーザー企業のイノベーションを支えることが、ITCのもう一つの重要な活動分野になってくる。

 播磨会長はイベントの場で、「新しい時代のニーズに対応できるITCの数を増やすために、人材育成の対策を講じていく。さらに、ITC同士の人的ネットワークを構築し、ITC間の情報交換を強化する」と協会の取り組みを語った。(つづく)(ゼンフ ミシャ)

東京プリンスホテルの会場には、全国のITCが集まった
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外部リンク

ITコーディネータ協会=http://www.itc.or.jp/