視点
ドラえもん的アイデアとITで産業再生
2012/09/13 20:45
週刊BCN 2012年09月10日vol.1447掲載
日本には、世界に冠たる技術力の蓄積があり、世界で活躍する製造業を支えてきたITのノウハウも存在する。だが、製造業の多くは、特効薬となるアイデアも生み出せないまま、地に落ちつつある。製造業に限らず、産業再生は喫緊の課題だ。とくに、地方に根ざした産業は行く末が案じられている。
こうした状況に、自治体も対応する動きをみせている。広島県は、「ひろしま産業新成長ビジョン」にもとづき、「イノベーション立県」の実現を目指している。このビジョンに従って、医療分野などで産官学で連携した取り組みが始まった。ここに地場IT産業も、深く関わろうとしている。広島県は、中国・四国地方では県民所得が最大規模で、多彩な製造業の集積地でもあり、「世界一」を誇るハイテク産業も数多く存在する。ただ、少子高齢化や人材の首都圏流失などで、これら産業の行き詰まりが懸念されている。
広島県の情報サービス産業に限らず、地方のITベンダーの多くは、全受注量の半分程度に及ぶ仕事を首都圏の大手ITベンダーから下請けして生き延びている。今後、受託ソフトウェア開発が大きく減ることは自明の理だ。競争力のある地場の既存産業とITが融合し、日本だけでなく世界に出る、というのが広島県の取り組み。クラウドやビッグデータ、スマート技術など、多くの産業を蘇生するための武器は揃っている。あとは、アイデアだ。
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