IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>78.東京都中小企業振興公社(上) 相談窓口で企業をピンポイント支援

2012/05/24 16:04

週刊BCN 2012年05月21日vol.1432掲載

 「経営改善」と「IT活用」を融合して、企業のシステム化を支援するITコーディネータ(ITC)の活動のかたちはさまざまだ。一定の企業をサポートし、長期にわたってシステムの改善に携わるやり方だけでなく、例えば、アドバイザーとしてピンポイントで複数の企業の課題解決を図るという活動もある。輸入玩具店「木のおもちゃトナカイ」のネットショップの立ち上げと進展を支援し、以前このコーナーで紹介した岩岡博徳氏(コンサラートCEO)は、幅広く活動しているITCの一人である。今回は、東京都中小企業振興公社の「ワンストップ総合相談窓口」で、ITCとして企業の相談に応じる岩岡氏の姿をクローズアップする。

 「ワンストップ総合相談窓口」は、東京都内の中小事業者支援を事業とする東京都中小企業振興公社が運営しているものだ。ITCをはじめ、中小企業診断士や弁護士、税理士など、あらゆる分野の専門家が日替わりで企業の相談に対応している。相談は無料、原則予約なしで受けることができる。5年ほど前からITCとして窓口のメンバーを務める岩岡氏の出番は、毎週火曜日の午後だ。1社あたりの相談時間はおよそ1時間で、岩岡ITCは企業の課題を聞き、その場で解決策を提案する。「相談にこられる企業は、1~20人規模の小売事業者やサービス事業者、製造事業者が大半を占める。相談の内容は、なるべくコストをかけずネットショップをつくって拡販を図りたいとか、クラウドを導入して社内システムを統合したいといったものが多い」(岩岡ITC)そうだ。

 窓口相談では、企業の業務内容を詳細に把握し、改善策をじっくり考える一般的なITC活動と異なり、短時間で的確なアドバイスを行うことが、ITCにとっての腕の見せどころとなっている。

 都内の中小事業者の間では「ワンストップ総合相談窓口」の知名度が高く、何度も訪れるリピーターの企業も多いそうだ。ただし、相談後のIT活用の進捗についてフィードバックはしない、と岩岡ITCはいう。「効率的なサポートを実現するために、あくまで現状での課題解決に焦点を当ててアドバイスする」と、窓口利用の原則を述べる。(つづく)(ゼンフ ミシャ)

専用のブースでメールでの相談に応じる岩岡博徳ITC
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