ITベンダーの企業系列マップ
<ITベンダーの企業系列マップ> 富士通 535社の子会社でグループを形成
2012/05/17 20:29
週刊BCN 2012年05月14日vol.1431掲載
本社主導の経営体制色濃く
富士通の設立は1935年で、当時の社名は「富士通信機製造」。富士電機ホールディングス(当時は富士電機製造)の一事業部門が分社・独立して誕生したにすぎなかった小さな会社は、今では約17万人を抱える超巨大企業に成長し、日本を代表するコンピュータメーカーになった。「海外では弱い」といわれる日本のIT企業だが、富士通は海外売上高比率が35.1%(2011年3月期)と、競合他社に比べて高い。最近では、理科学研究所と共同開発したスーパーコンピュータ『京(けい)』が、世界最速の計算処理力をもつことを実証し、世界に存在感を示した。連結の子会社数は、国内に198社、海外に337社(2011年3月末時点)の合計535社ある。年商規模と業容が異なるので単純比較はできないが、NECの連結子会社が283社(同)であることを考えれば、かなり多い。図では、コンピュータ・ITサービス関連の主要な子会社をまとめた。各子会社の役割分担が明確で、社名では想像できないかもしれないが、「この事業なら、あの会社」とはっきりと事業が分かれているのが富士通の特徴。代表的な会社は、中堅企業向けSIerの富士通マーケティング(FJM)、保守サービスの富士通エフサス、クラウド事業の富士通エフ・アイ・ピー(富士通FIP)、ソフト開発の富士通システムズ・イーストだ。
富士通の最近のグループ戦略の核となるのは「集中」。上場していた子会社を100%出資に切り替え、本社主導でグループ全体を経営する傾向にある。535社あるなかでも、上場子会社はわずか6社しかない。コンピュータ・サービス子会社のなかで、最近の動きでいえば、富士通エフサスと富士通マーケティング(FJM)がそれにあたる。富士通エフサスは2004年に、富士通マーケティングは2009年に上場を廃止し、ともに富士通の完全子会社になっている。
独自路線で経営していた子会社を、本社主導でマネジメントする体制に移行しているのが、今の富士通。子会社数は多いものの、本社の統率力が強い状態でグループを形成している。
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外部リンク
富士通マーケティング(FJM)=http://www.fjm.fujitsu.com/
富士通エフサス=http://jp.fujitsu.com/group/fsas/