IBMが拓く第三世代のコンピューティング時代

<IBMが拓く第三世代のコンピューティング時代>第2回 アナリティクスが世界の成長をけん引 パートナー関連は驚異の16%成長

2012/04/12 20:29

週刊BCN 2012年04月09日vol.1427掲載

 米IBM(ジニー・ロメッティCEO)が2月下旬に開催した自社パートナー向けイベント「PartnerWorld Leadership Conference 2012(PWLC)」。世界のIBM全体では、ビジネスアナリティクスとクラウドの二つの関連事業がけん引し、2011年度(11年12月期)の業績を押し上げたことが、誇示された。同社が提唱する「Smarter Planet(スマータープラネット)」構想に基づくビジネス・パートナー(BP)の販売活動が成功を導いたという。

パートナー事業を統括するマーク・ヘネシーGM
マーケティング戦略責任者のジョン・イワタ上級副社長
 2月27日のイベント開幕日。進行役を務めたパートナー事業を統括するグローバル・ビジネス担当のマーク・ヘネシーGMは、世界から参加したBPに向けて賛辞を投げかけた。「2011年度のパートナー関連の業績は、ビジネスアナリティクスとクラウドがけん引し、世界で16%成長した。BPの成功なくして成長を成し得ない」。毎回述べられる“常套句”だが、今回の言葉にはこれまで以上に力がこもっていた。

 ヘネシーGMによれば、IBMのビジネスアナリティクス関連製品・サービスの認定パートナーは2万7000社で、BPの8割がクラウド関連のスペシャリティ認定者を有するほど、多くのITベンダーがIBMの戦略を支持した。IBM製品・サービスの“売り方”を知るパートナーが急拡大。クラウド関連事業だけで前年度に比べて世界で200%増に達している。

 また、マーケティング戦略の代表者であるジョン・イワタ上級副社長は、スマータープラネット構想下で得たシステム開発案件が新興国でとくに進捗し、「(同構想関連で)世界の案件が約6000件に達し、その半数でBPが関与した」と述べた。

 イワタ上級副社長は、スマータープラネット構想の重要なファクターであるビジネスアナリティクスの事例として、米テネシー州メンフィス市警の例を取り上げた。犯罪頻度の高い場所や警察の巡回で得た犯罪危険地域を解析したことで、警察官の勘に頼らない犯罪防止対策をとり、06年に比べて30%も犯罪を減らせたという。これ以外にも、同構想に関する事例を紹介。「ITがバックオフィスからフロントオフィスに格上げされた」(同)と評価し、IT利活用の新たな潮流と市場を開拓したと述べた。

 この勢いを確実にするためにIBMは、「Expert Integrated System」という新製品を出すほか、新インセンティブ(報償金)プログラムを明らかにしている。(谷畑良胤)
  • 1

関連記事

<IBMが拓く第三世代のコンピューティング時代>第1回 「非構造化データを活用せよ」 ロメッティ新CEOが檄

米IBM、「第三世代のコンピューティング時代が来る」、年次イベントでロメッティ新社長がメッセージ

米IBM、来年1月1日に社長交代、上級副社長のバージニア・M・ロメッティ氏が昇格

外部リンク

米IBM=http://www.ibm.com/us/en/

日本IBM=http://www.ibm.com/jp/ja/