年頭所感

【2012年度 IT産業の道しるべ】 日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)

2012/03/22 20:40

週刊BCN 2012年03月19日vol.1424掲載

仕組みの変革

後藤滋樹
理事長
 私どもJPNICは、主に日本国内のIPアドレスの登録管理とインターネット関連情報の提供を通して、インターネットの普及と安定した利用を支援する社団法人だ。2012年は、次世代IPアドレスであるIPv6の普及を促す活動が大きなミッションとなっている。昨年、IPアドレスとして一般に利用されているIPv4が枯渇したが、その後継版であるIPv6を普及させるために、JPNICとしてアクティブに動きたい。

 JPNICは、今年、キャンペーンなどを通じてIPv6の認知度を高める。それとともに、インターネットプロバイダをはじめとする各関係者と話を進めて、IPv6の有効な“使いこなし方”を探っていく。ネットワーク機器メーカーやネットワークの運用会社にさまざまな情報を提供したい。

 昨年の電力供給事情の悪化で、われわれはインターネットが大量の電力を使っていることを再認識した。今後、JPNICが指揮を執るかたちで、インターネットの経路を集約することによって電力使用量の削減を図ることに貢献したい。また、インターネットのセキュリティを向上することが課題となっている。その意味で、インターネットの仕組みを変革すべき時期がやってきている。現状の仕組みを見直し、安全かつ省電力の「次世代インターネット」を実現するために、他団体のプロジェクトにも協力する方針だ。
  • 1

関連記事

【2012年度 IT産業の道しるべ】 実力経営者が示したキーワード<過去の言葉で未来を読む>

【2012年度 IT産業の道しるべ】 業界活性化に力を尽くすIT団体トップの「志」

IT市場の潮流 ベンダートップが展望する2012年

【2012年 年頭所感・総評】再成長を期すIT企業トップの意気込み