IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>66.池田時計店(上) 「マインドウェア」で社員の能力を向上

2012/02/23 16:04

週刊BCN 2012年02月20日vol.1420掲載

 今回、紹介するのは、徳島市の老舗企業で、宝石や時計、メガネなどの販売を手がける池田時計店である。創業明治30年(1897年)の池田時計店は、本紙1416号と1417号で取り上げた徳島市のクリーニング会社であるセルフに続き、ITシステムの活用によって経営改善を果たした四国企業の成功事例の一つだ。

 池田時計店は、徳島地区を中心として、およそ40の店舗を展開している。これらの店舗では、単品管理や在庫管理ができるコンピュータシステムを導入しており、IT化を図ることによって、作業の効率化や正確さの向上を実現している。およそ20年前に着手したシステム導入の当初から、池田時計店をITコーディネータ(ITC)としてサポートしているのは、四国でのIT支援活動に注力している小林勇治氏(イー・マネージ・コンサルティング協同組合理事長)だ。小林ITCの講演会に池田時計店の吉村彰介代表取締役が参加し、その後、システム導入についての相談を受けたことが、以後の長年にわたるつき合いのきっかけとなった。

 吉村代表取締役は、「小林先生から、ハードウェアやソフトウェアについていろいろ学んだ。それだけではなく、『マインドウェア』という概念を教えてもらい、これまでの20年の間に当社で大いに活用している」と語る。小林ITCが提案する「マインドウェア」とは、会社の個別ニーズに応じてITシステムの最適な使い方を探求し、ITの活用を通じて社員の能力を上げることを目指す経営スタンスを指している。

 吉村代表取締役は、最近、システムの入れ替えやITのさらなる利活用を考えており、改めて小林ITCからのアドバイスを受けている。経営者として、「ITは数字を正確に把握することができる反面、導入や保守の面でコストがかかるというデメリットがある。したがって、ITでどう事業拡大を図ることができるかを見極めて、IT投資を慎重に検討する必要がある」という考えを示す。

 事業拡大につながるIT活用の一つとして、吉村代表取締役は今、現時点ではまだ手薄なインターネット販売の本格化を考えており、そのシステム強化に取り組む方針だ。(つづく)(ゼンフ ミシャ)

徳島市新町橋の店舗
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