IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>60.ホリデー・ワン(下) 最小限の投資に抑える

2012/01/19 16:04

週刊BCN 2012年01月16日vol.1415掲載

 商品の売り上げと仕入れの見える化に乗り出した衣料品店・ホリデー・ワン。見える化を実現するために、いくつかの策を打った。ITコーディネータ(ITC)の浅井鉄夫氏は「中小メーカーの衣料品はバーコードがついていない場合が多い。小売店側でつけるしかないが、個人商店にとっては大変。人はいないし、手間もそれほどかけずに間違いなく目的を達成できる仕組みづくりに頭をひねった」と語る。

 「最小限の投資で」という堀北敬治代表取締役の注文もあり、支出はITCのコンサル料に加えてPOSレジ1台にとどめた。10万円ほどのシャープの「XE-A280」である。「明細データをPCで管理できることを条件に、できるだけ安いものを探した。『XE-A280』はPLUのデータを1万件登録できるほか、SDカードを使ってCSV形式で吐き出したデータをExcelで加工することができる。LANをつなぐとなると、50万円近くかかる。データ転送は手作業で十分と判断した」(朝日隆夫ITC)。

 新たに編み出したPOSによる商品管理方法では、納品時に納品伝票を見て台帳に記入(その後PCに入力)する一方で、ハンドラベラーを使って貼札を2枚作成。2枚の貼札は、二段構成の値札に添付するようにした。商品の販売時に、店舗側が値札の半分を回収するような仕組みにしたのだ。PLUでPOSに登録した項目データは7枚用意したSDカードで毎日PCに転送し、随時POS売上表やアウターなどの販売商品の分析に役立てることができるように工夫した。朝日ITCは、「万が一、データ登録が漏れた場合を想定して、人手での管理ができるようにするため、半券から売れたことを追えるようにした」と、二段値札にした理由を説明する。

 POSレジの稼働は2011年8月。売り上げと仕入れを見える化したことで、売り損じを防ぐことができるようになった。(信澤健太)

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