IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>経営とITの間のギャップを解消

2012/01/05 16:04

週刊BCN 2012年01月02日vol.1413掲載

小林勇治ITC
 中小企業向けのIT支援を得意とするITコーディネータ(ITC)の小林勇治氏(イー・マネージ・コンサルティング協同組合理事長)が、2011年11月、社団法人の「中小企業診断協会」が開催したシンポジウムで論文を発表し、最優秀賞を受賞した。論文は、「中小企業IT経営革新阻害要因──5つのギャップ解消のための提言」をテーマとして、小林氏のITCとしての豊富な体験を踏まえ、中小企業の有効な支援に必要なことを考察したものだ。

 ITCの役割は、企業を直接的に支援することにとどまらず、論文を執筆・発表するかたちで自分のノウハウを幅広く伝えることも、重要な活動の一つとなる。今回、小林ITCの論文が表彰された中小企業診断協会のシンポジウムは、毎年開催されるイベントで、地域中小企業の活性化や地域産業の自立発展を支援することを目的としている。

 小林ITCは、活動の一例として、神奈川県川崎市の宮前区平に店舗を構える個人経営のスーパーマーケット「スーパーやまだ」を支援している。スーパーやまだの事例を2011年8~9月に、このコーナーで紹介した。小林ITCは、過去26年間、113社の中小企業をサポートし、そのうち29社のIT経営革新構築の支援に携わってきた。論文では、中小企業のIT経営革新の失敗例・成功例を分析し、革新を阻害する要因として「5つのギャップ」を浮き彫りにしている。

 小林ITCによる「5つのギャップ」は、企業の経営層とIT担当者の間のギャップ、IT改革の各プロセス間のギャップ、組織のトップと現場社員のIT活用に関する認識のギャップ、ユーザー企業/ITベンダー/ITCの三者間のギャップ、革新進捗プロセスでのリファレンス(開発の手本)間のギャップだ。小林ITCは、これらのギャップを解消するために、経営層とIT担当者がそれぞれの要求と認識を共有することができる情報統合システムを構築したり、IT改革の各プロセスを同時並行で統合的に進めたりする、といったことを提言している。

 ギャップを解消した小林ITCの活動の成功事例の一つが、四国・徳島県に本社を置くクリーニング事業者「セルフ」でのIT改革だ。セルフは、小林ITCの支援を受け、ITシステムを改善したことによって、売り上げを大きく伸ばすことができた。本紙編集部は徳島県のセルフを取材し、その事例を1月下旬に、このコーナーで紹介することを予定している。(ゼンフ ミシャ)
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