IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>2011年の取材を振り返って
2011/12/22 16:04
週刊BCN 2011年12月19日vol.1412掲載
ITCの支援によってITを有効活用
IT業界の記者にとって、この企画の醍醐味は、通常は対象外となる非IT系の企業を取材することができるという点だ。今年は、真珠やダイヤモンドの卸販売を手がける「東京真珠」をはじめ、輸入玩具店、デパートの接客ぶりの覆面調査を行うサービス事業者、精密ネジを生産している工場、電源メーカー、青汁など健康食品を製造・販売する企業、地元に根づいた老舗スーパーマーケット、米国腕時計メーカーの日本代理店、リフォーム工事の建設業者──。さまざまな業種・規模の企業にお邪魔し、現場でのIT活用の実際を取材してきた。このコーナーで紹介するユーザー企業の多くは、IT専任の担当者がいないか、または、IT専任担当のリソースが限られている。さらに、ITインフラの構築に大きなコストをかけることができない、などの共通点をもっている。彼らは、ITCの支援を受けることによって、初めて「Excel」の導入や販売管理システムの改善、顧客情報のデータベース化といったITの基本的な活用を実現することができる。取材を通じて、とくに規模の小さい企業にとって、ITCの活動がいかに重要かを、肌で感じることができた。
2011年は、同じ企業を数回にわたって取材し、ITCの支援による経営改革を継続的に追うという事例もあった。神奈川県の中小企業向け支援を強みとする岩岡博徳ITCと、同氏がサポートする輸入玩具店「木のおもちゃ トナカイ」の事例がそれだ。今年8月に、経営コンサルタントの大森渚氏が新たに「トナカイ」の支援チームに加わり、ネットショップの改善にあたって店長の林信克氏にアドバイスを行っていく。
7月に取材した健康食品の販売事業者の「遠赤青汁」は、愛媛県の東温市に本社を構えている。四国の豊かな自然に恵まれた環境で、社内ITCの渡部一恵氏は、同社の健康食品をアジア各国の高級デパートで販売することを目指して、データの分析・活用など、ITシステムの強化に取り組んでいる。こちらは、外のITCからの支援を受けるのではなく、社内にITCを育てるという意味で、印象に残った取材の一例である。(ゼンフ ミシャ)
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