IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>55.ひがしの建設(下) 今後は「クラウド」の活用も視野に

2011/12/01 16:04

週刊BCN 2011年11月28日vol.1409掲載

 千葉県・佐倉地区を中心にリフォーム工事を手がけるひがしの建設の千葉雅弘代表取締役は、今年の2月に、ITコーディネータ(ITC)の力を借りて、ITの活用に取りかかった。千葉県の中小企業を支援する特定非営利活動法人の「ちば経営応援隊」が開いたセミナーで、千葉代表取締役はITCの浅井鉄夫氏(ちば経営応援隊理事長)に個別に相談し、それをきっかけに同じくITCの齋藤謙一郎氏(同事務局長)と出会い、一緒にホームページの改善や「Excel」の活用に取り組むようになった。

 千葉代表取締役は、県が用意する中小企業向けの支援制度を利用して、定期的に齋藤・浅井両ITCとミーティングを行い、二人からのアドバイスを受けるかたちで、少しずつITの活用を進めている。最近の検討課題は、「クラウド」の利用だ。千葉代表取締役は、事業内容をわかりやすく伝えるために、工事現場の様子を撮影して、その写真をホームページに掲載している。しかし、写真が多くなるにつれて、画像を保存するパソコンのディスク容量の限界がみえてきた。齋藤ITCは、「クラウド型のサービスを利用すれば、スマートフォンで撮った写真をリアルタイムにオンラインストレージに保存することができる」と、千葉代表取締役にクラウドの活用例を紹介している。

 また、千葉代表取締役は、ホームページの改善と並行して、今、手書きでつくっている図面の作成を電子化するために、CADシステムの導入を検討している。しかし、CADシステムの導入は、業務の効率化や設計図の再利用を図ることができる反面、導入コストがかかるのがネックだ。

 そこで、浅井ITCは、「最近、CADシステムを数社が共同で使うという利用モデルが増えている。例えば、CADシステムを60人で共同利用すれば、一人あたりの導入コストが大幅に下がる」とアドバイスしている。

 齋藤・浅井両ITCは、「将来、ひがしの建設の身の丈に合った業務システムの導入を実現したい」と、さらなるITの活用による経営支援を考えている。(ゼンフ ミシャ)

現在の方法では、パソコンで画像を保存するディスク容量の限界がみえている
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