IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!

<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>54.ひがしの建設(上) 少人数でも、ITで仕事を効率よく

2011/11/24 16:04

週刊BCN 2011年11月21日vol.1408掲載

 千葉県佐倉市にオフィスを構えるひがしの建設は、佐倉地区の一戸建て住宅を主な対象として、あらゆる種類のリフォーム工事をビジネスとしている。佐倉地区は、高齢化が進んでおり、最近は、とくにバリアフリーにするための介護リフォームの仕事が増えているそうだ。介護リフォームのニーズに対応すべく、手すりの設置や段差の解消などを行い、高齢者が住みやすい住宅づくりに取り組んでいる。

 従業員数は、代表取締役の千葉雅弘氏を含めて3人。千葉代表取締役は、少人数の体制でも仕事を効率よくこなすことを目指して、ITコーディネータ(ITC)の力を借りるかたちで、今年からITの活用に力を入れている。ITの活用にあたってまず取りかかったのは、書類の作成やデータ管理を楽にする「Excel」の導入だった。千葉代表取締役は、「5月から『Excel』を使い始め、最初は大変だったが、だいぶ慣れてきた」と語る。

 千葉代表取締役はこれまで、工事費用の見積書をはじめとした各種書類を手書きで作成していたが、「見積書を1件つくるのに、2~3時間もかかることが少なくなかった」と、手書き作業の大変さを話す。ひがしの建設は、時期により工事依頼の件数が大きく変わる。「今年前半は仕事が比較的少なかったが、秋から忙しくなったので、今『Excel』が大いに役立っている」という。

 ひがしの建設は、「Excel」の導入と同時に、ホームページの改善に着手した。工事現場の様子を写した写真をホームページに掲載したり、ブログで工事にまつわるエピソードを書いたりすることによって、同社の事業内容をわかりやすく伝え、工事依頼の件数を増やすことを狙っている。ホームページの改善はまだ初期段階にあるが、すでに効果がみえてきている。千葉代表取締役は、「近所に住んでいる60代の方が、当社のホームページを見て、庭の木を切ってほしいと、メールのフォーマットを通じて仕事を依頼してくれた」と、初の成功事例を紹介してくれた。

 千葉代表取締役は、IT活用の次のステップとして、手書きしている図面を電子化することを目指して、今、CADシステムの導入を考えている。(つづく)(ゼンフ ミシャ)

千葉代表取締役は手書きで工事用の図面を作成する
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