IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>50.ニクソントウキョウジャパン(上) 増員せずに、ビジネスを拡大
2011/10/27 16:04
週刊BCN 2011年10月24日vol.1404掲載
ニクソントウキョウジャパンは、時計などの売れ行きが好調で、数年前から急速に売り上げを拡大してきている。同社の取締役&相談役の寺田光男氏は、「ビジネスが大きくなるにつれて、既存ITシステムの弱点を痛感するようになった」として、2年ほど前からシステムの改革を進めている。改革前は、受注業務や売上原価の管理にあたって、紙を使った手入力の作業が多く、正確さや業務効率化の面において改善の余地があったという。
2009年、スマートフォン向けなどのシステム開発を手がけるケイアイアイエス(本社・京都市)所属の船本芳孝氏が、ITコーディネータ(ITC)として、ニクソントウキョウジャパンのシステム改革を支援するようになった。船本ITCは、「従来のシステムは各業務に特化したものだったので、全社的な連携がとれていなかった」として、システムを会社全体としてうまく活用できるよう、連動性にすぐれた仕組みづくりに取り組んできた。
船本ITCがIT改革にあたって重要視するのは、基盤システムの強化だ。ニクソントウキョウジャパンは東日本大震災の発生後、BCP(事業継続計画)の一環として、自社サーバーを東京本社から大阪営業所に移し、今もサーバーを大阪に置いている。船本ITCは、「東京から大阪のサーバーにスムーズにアクセスするために強力なネットワークが必要と考え、サーバーの移設をきっかけとして、ネットワークの強化を図った」と語る。
従業員35人を有するニクソントウキョウジャパンは、ここ2年でビジネスを大きく伸ばしてきた。しかし、従業員数はほとんど増えていないという。船本ITCが取り組んでいるシステム改革による業務効率化が、成果を上げているからだ。(つづく)(ゼンフ ミシャ)
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