IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!
<IT経営の真髄 ITCの支援で企業はこう変わる!>49.半谷製作所(下) データの活用で利益創出
2011/10/20 16:04
週刊BCN 2011年10月17日vol.1403掲載
これには、水口ITCが「IT化とは、ハードウェアやソフトウェアを導入して活用することだけではない。データをうまく活用して利益を生み出すことも立派なIT化だ」と、活を入れた。
そこで同社は今一度、利益を生み出すことができた理由を整理。二つのステップに分けてIT経営の実践を振り返ることにした。
第1ステップとして、20 05年以降、経理情報と生産情報、その他の情報をデータベース上で統合管理。統合した全社の経営情報を、受発注・生産・検査・出荷・在庫・原価などのデータの見える化に活用した。具体的には、「Microsoft Excel」と「Microsoft Access」を駆使し、日報管理や予算申請、オーダー管理、文書管理、グループウェアなどを「見える化システム」として整備した。
第2ステップとして、蓄積したデータを徹底的に分析し、作業改善に取り組んだ。2010年度の経営方針書における管理目標である品質6項目、コスト16項目、納期6項目、環境3項目、安全衛生3項目、その他9項目の達成に役立てた。
例えば、設備の有効稼働データの解析結果に基づき、主要製造ラインの集約化と非効率設備の廃棄に着手し、工場内の大幅な空きスペースを確保。製造ラインを内製化することで外注加工費を50%削減できた。
このほか、ブロードリーフの製造業向け動作分析システム「OTRS」を活用して、製造工程の作業分析と作業の最適化シミュレーションを実施。徹底した工数削減に役立てた。この結果、1年間で31人の要員と15%の人件費を削減した。
こうした取り組みが評価され、「中小企業IT経営力大賞 2011」の優秀賞と特別賞を受賞した。隅田敏明・総務部部長は「毎日、地道に取り組んでいることが素晴らしいということに気がついた」と振り返る。(信澤健太)
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