日本IBMの中堅市場戦略

<連載・日本IBMの中堅市場戦略>第9回 ユーザー事例 北薩病院(下)

2011/10/06 20:29

週刊BCN 2011年10月03日vol.1401掲載

 鹿児島県の県立病院局は電子カルテシステムの導入を決め、その開発を任せるITベンダーとして、日本IBMのパートナーであるソフトマックスを選んだ。

日本IBMとの密な関係の決め手は「人」

ソフトマックスをサポートした日本IBMのパートナー&広域事業の神野弘幸担当課長
システム構築を担当した日本IBMのパートナー、ソフトマックスの斉藤克司取締役部長
 ソフトマックスは、鹿児島県に本店を置く九州地域の有力ITベンダーで、医療機関向けSIに強い。電子カルテの分野では、自社開発パッケージソフトの「HONEST カルテ」をもつ。今回のケースでもこのパッケージを活用して、電子カルテをつくり上げた。ハードウェアに関しては、「省スペースで省電力、高性能、高可用性を満たすものという条件をでサーバーを選定した」(ソフトマックスの斉藤克司・取締役部長鹿児島支店長)。さらに、日本IBMのブレードサーバーを採用。日本IBMのサポートを受けながら、機器構成を固めていった。

 実は、ソフトマックスは、日本IBM製品を扱うようになってから日が浅い。元々は東芝のオフコンディーラーだったソフトマックスは、オープン系システムも東芝のサーバーを採用していたが、後には日本ヒューレット・パッカード(日本HP)製品を多く販売するようになった。日本IBM製品を扱い始めたのは2年ほど前のことで、現在は日本HPと日本IBMの製品を案件に合わせて選んでいる。斉藤取締役は、日本IBM製品を販売する理由について「製品ラインアップが充実している点は日本IBMの強みだと思うが、正直にいえば、ハードウェアだけでみると日本HPとそんなに差はない。日本IBMとつき合うようになった理由は、『人』の要素が大きい。日本IBMのスタッフは、問い合わせに対して迅速に対応してくれるなど、丁寧に支援してくれたことがポイントだった」と話している。日本IBMの神野弘幸・パートナー&広域事業担当パートナー第三事業部担当課長は、「われわれの支援内容を評価していただいて、非常にありがたい」と顔をほころばせる。

 ソフトマックスは、北薩病院での電子カルテの運用が無事に本稼働したことを受け、今は同じシステムを県内4か所の病院に導入する準備を進めている。(木村剛士)

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