小さな楽器やコマなど、木や紙でできたユニークな知育玩具を取り扱っている輸入玩具店「木のおもちゃ トナカイ」。ITコーディネータ（ITC）として中小企業の振興を支援する岩岡博徳氏（＝コンサラートCEO）は、「木のおもちゃ トナカイ」の林信克店長とともに、ネットショップを立ち上げ、販路の拡大や認知度の向上に取り組んでいる。 

　岩岡ITCは、今年4月から都内の大学院の社会人向けコースで非常勤講師を務めている。クラスには、流通業や製造業、サービス業など、多様な分野の仕事に携わる人々が集まっている。岩岡ITCは、学生たちに小規模企業の経営者と直に話ができる場を設けるべく、7月末に林店長を授業に招いた。

　岩岡ITCは、「学生たちは林店長に経営状況やネットショップについてヒヤリングを行い、それに基づいて、改善提案をまとめたレポートを作成。林店長は学生たちから販路拡大やネットショップ強化についての提案を受けて、コメントのかたちでフィードバックした」（岩岡ITC）と流れを説明する。岩岡ITCの授業で、学生たちは林店長から玩具店経営について“生の声”を聞くことができ、また、林店長はさまざまな分野のプロから貴重なアドバイスを受けることができた。「双方にとって、授業に参加するメリットが大きかった」（岩岡ITC）というわけだ。

大森渚 経営コンサルタント

　林店長を長年にわたって支援してきた岩岡ITCは、学生たちの提案書を踏まえて、「これからは別の視点からのサポートが必要」と判断し、通信販売について豊富な経験をもつ大森渚経営コンサルタント（コンサラート所属）を、8月に「木のおもちゃ トナカイ」を支援するチームに入れた。大森・経営コンサルタントは、「トナカイさんは、ネットショップの写真の撮り方について、改善の余地がある」とみている。「写真が少し暗いので、林店長に画像編集プログラムの詳しい使い方を教えた。さらに、例えば写真に子どもを入れて玩具の使い方を具体的に理解させるように工夫することをアドバイスしている」という。（つづく）（ゼンフ ミシャ）